比較法研究所主催講演会
【主 催】早稲田大学比較法研究所
【共 催】早稲田大学法学部・早稲田大学法学研究科・国際商事研究学会、国際取引法学会国際契約法制部会
= 英国からみたAIの法的課題=
【日 時】2025年5月16日(金)19:00~20:30
【場 所】ZOOM
【言 語】英語 通訳なし
【講演者】Gary Gabison・ロンドン大学クイーンメリー・講師
【世話人】久保田 隆(早稲田大学法学学術院教授、比較法研究所員)
【対 象】学生、教職員、一般
参加者:35名(うち本学学生29名)
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冒頭、司会の挨拶と主催・共催団体の挨拶があり、その後、早速講演が行われた。
報告は、欧州連合(EU)のAI法、AIシステム規制におけるリスクベースのアプローチ、および実施上の課題が主要な議題となった。その他、AI法とデジタル市場法との整合性についても触れられ、特に価格決定や自動運転車両に関する点が焦点となった。また、AI責任指令の現状と、汎用AIに関する実践指針の策定状況についても紹介があった。
会場からは、様々な質問が活発になされ、議論が深められた。まず、本学の大塚直教授から、AI自動運転との関係について質問があり、EU法や英米法における扱いの説明があった。次に、フロア参加者の実務家から、EUにおける競争法とAI法との関係に関する質問があり、関係する部分はあるが、抵触する領域が限られるとの回答があった。さらに、本学の久保田隆教授から日本のAI法制定審議の現状の説明のほか、中国の社会信用スコア制度は、EUのAI法のリスクカテゴリー4つのうち、最もリスクが高く利用が禁止されている類型にまさに入るのではないか、との質問があり、その通りとの回答があった。その他、チャットを通じて15名の学生から感想文が寄せられた。
また、参加者の求めに応じて、今回の英文レジュメがチャットを通じて参加者に配布された。
(文:久保田 隆・比較法研究所研究所員)