開催日時・場所
【日時】2022年9月10日(土)10時00分~17時00分(9時30分-10時00分 登録)
【場所】8号館法学部 B 107教室(早稲田キャンパス8号館地下1階)
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テーマ・開催趣旨等
【テーマ】持続可能な農地利用のための政策と法 ―ドイツと日本-
【言 語】ドイツ語と日本語(同時通訳あり)
【主 催】文科省科学研究費・基盤研究B「農地の法的社会的管理システムの比較研究」、ドイツ・ゲッチンゲン大学農業法研究所
【共 催】早稲田大学法学部、早稲田大学比較法研究所
【概 要】今日農地の維持管理は、一つの大きな変化の局面を迎えています。各国において従来農業は家族を中心に営まれ、中小の家族経営が農地所有権の主体となる農業構造が維持されてきました。しかしドイツでは非農業部門の法人企業が農地を取得し、農業を工業的に展開する事態が特に東独部で顕著に出てきており、農地所有の構造も一部企業へ集中する傾向が出てきています。農林地の取引については、これを行政の許可の下に置き、望ましい農業構造を確保する法制が確立されていますが、法人の持分取得(シェアディール)を通じた土地取得については法の欠缺(けんけつ)が生じており、いまこれにどう対処し、望ましい農業構造をいかに保持するかが大きな問題になっています。
日本と中国では、農業の生産性向上のための農業経営の規模拡大が課題とされ、特に一般企業法人の農業参入を容易にすべく、農地取引規制の緩和が法政策的課題とされています。
以上のような動向に対して、EUではFarm to Fork 戦略が出され、ドイツでも2017年に「未来戦略 有機農業」が出され、2030年までに全農地の25%を有機農業がカバーするという野心的戦略が立てられています。こうした動向を受けて日本の農水省も2021年に、突如「みどりの食料システム戦略」を公表して、2050年までに農地の25%、1万haを有機栽培農地にする、という目標を掲げました。こうした戦略は、前述の経営規模の拡大による生産性の向上という従来の方向性に対するオールタナティヴとなりうるのか否か、その検討も含め、生産機能だけでない多面的な機能の発揮、自然の循環機能という視点から農林業を捉え、そのような農林業の持続的な展開を担保する農林地維持管理法制の確立という、各国に共通の課題をめぐって議論します。
9:30 – 10:00 | 登録 |
10:00 – 10:10 | 企画趣旨説明 楜澤能生教授(早稲田大学) |
10:10 – 10:40 | 持続可能な農業的土地利用を実現するための公的手段としての補助金 -欧州共通農業政策を事例として- Anna-Lena Poppe研究員(ゲッチンゲン大学農業法研究所) |
10:40 – 11:10 | 日本における「みどりの食料システム戦略」のねらいと課題 安藤光義教授(東京大学) |
11:10 – 11:40 | 土地取引とシェアディールに対する法的規制 Anna Kiermeier講師(弁護士、ゲッチンゲン大学農業法研究所) |
11:40 – 13:00 | ::::昼食休憩:::: |
13:00 – 13:45 | 持続可能な農地利用のための土地法政策―ドイツの場合 Prof. Dr. Jose Martinez教授(ゲッチンゲン大学農業法研究所、所長) |
13:45 – 14:30 | 持続可能な農地利用のための土地法政策―日本の場合 楜澤能生教授(早稲田大学) |
14:30 – 15:00 | ::::休 憩:::: |
15:00 – 17:00 | パネルディスカッションと討論 司会:文 元春教授(早稲田大学)・楜澤能生教授(早稲田大学) |
シンポジウムへの参加・申し込み
- どなたでもご参加いただけますが、事前登録が必要となります。「持続可能な農地利用のための政策と法参加希望」と題し、お名前とご所属を明記の上、 [email protected] までメールにてお申し込みください(締切日:9月3日)。
- シンポジウムに関するお問い合わせは、 [email protected] までお願いします。
(2022.8.5 掲出)