所長 上野 達弘
早稲田大学比較法研究所(通称「比研」)は1958(昭和33)年に設立されました。当時法学部教授であった故中村宗雄(本学名誉教授・日本学士院会員)が1954(昭和29)年にパリで行われた国際比較法学会に出席した際、戦後の諸外国において比較法研究施設が増えていることに感銘を受け、早稲田大学の前身である「東京専門学校」の創設(1882〔明治15〕年)75周年である1957(昭和32)年の機運もあり、翌1958(昭和33)年4月に、中村宗雄が初代所長となって本研究所が設立されました(「早稲田大学百年史」第3編第7章・第10編第6章1参照)。
比研の趣旨を定めた比較法研究所規則1条は現在も変わっておらず、「本大学創立者大隈重信の建学の精神を体し、その創唱せる『東西文明の調和』という理想を時代に即して昂揚・実現するため」と定めています。
比研には、比較法学に関連する研究に従事する早稲田大学の教員である兼任研究所員105名、本研究所の事業に参画する学外の招聘研究員165名のほか、助教・助手3名などが在籍しており、現在20件の共同研究プロジェクトが実施されております(2025年4月現在)。
国際的な学術交流も盛んで、中国社会科学院法学研究所、清華大学法学院、メルボルン大学比較法国際法研究所、デューク大学ロースクール、マックス・プランク犯罪・安全と法研究所、マックス・プランク競争イノベーション研究所、韓国法制研究院、ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジ等と協定を締結しているほか、訪問学者や外国人研究員等の受け入れも行っています。比研が主催・共催する公開講演会やシンポジウムは毎年20回を超えます。
その成果は、「比較法学」「Waseda Bulletin of Comparative Law」「比較法研究所叢書」といった出版物として定期刊行しているほか、「Topics of Japanese Law」「比研オンライン・ジャーナル」「比研オンライン・フォーラム」といったオンラインのプラットフォームでも発信しています。
比研は2028年に設立70年を迎えます。皆様におかれましては、引き続きご支援ご協力を賜れましたら幸甚に存じます。
2024年9月21日
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