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【著作紹介】『教育社会学(飯田浩之・岡本智周 編著)』(文学学術院教授 岡本智周)

【著作紹介】『教育社会学(飯田浩之・岡本智周 編著)』(文学学術院教授 岡本智周)
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Tue, 21 Jul 2026

ミネルヴァ書房、刊行日:2018/10/10、判型:B5判、ページ数:200ページ、ISBN:978-4-623-08413-5

本書は、教員養成におけるスタンダードなテキストを目指した「はじめて学ぶ教職」シリーズの一冊です。教育社会学におけるものの見方や考え方を解説し、さらにその観点から実際に捉えられる教育の様相を提示しています。それによって、教職課程で学ぶ学生や教育に関心をもつ読者に、学校教育を中心とする教育の実際を社会学的に捉えることの興味深さと重要性を伝えることを目的としています。

学校をはじめとする教育の場では、今日、教師や子どもたちの営みが複雑化し、必要となる知識や技術もますます高度なものとなっています。本書は、そうした高度化・複雑化の作用のもとでの「教育」と「社会」の関わりについて探索し、その様相を描き出すことを課題としました。

そもそも学校という教育機関は、それだけが単独で存続するものではありません。学校の外側には人間が活動するより大きな社会が存在し、諸個人や様々な機関が関わりながらお互いを支え合っています。学校もまたそのような社会的機関の一つであり、ほかの機関と互いに影響し合うなかで全体としての社会を支え、変化させていく役割を果たしているのです。教育と社会の相互反映的関係を描き出すことが、教育社会学の営みの一つです。

さらに学校は、それ自体が人間社会そのものです。そこでは人びとが役割をもって関係し合い、相互に作用し合っています。加えて、「先生」や「児童」「生徒」という学校のなかの役割は、人びとの社会的側面の一部でしかないとも言えます。人びとにはそれぞれに、生活を営む家庭があり、地域があります。学校以外にも関わりのある仲間や、所属する集団・組織があります。人間は複雑な社会関係のなかで生きる存在であり、したがって学校という教育の場にも実際には、人それぞれの社会関係にまつわる要素が多数もち込まれているのです。多様な社会関係を背景にもつ諸個人が集合する一つの社会として、学校を見つめ、その多様で複雑な様相を考察することが、教育社会学のまた一つの営みとなります。

本書は、このような教育社会学の営みを、13の章を通してテーマごとに理解できるよう構成されています。

=目次=
第1章 教育社会学のアプローチ
第2章 教師・児童生徒・カリキュラム
第3章 教育機会と進路選択
第4章 高等教育
第5章 学業世界と職業世界
第6章 市民社会と学校教育の課題
第7章 マイノリティから見た学校空間
第8章 ジェンダーと学校教育
第9章 子どもの問題の現在
第10章 学校という空間と社会
第11章 家族のあり方と学校制度のかかわり
第12章 子どものメディア利用とその行方
第13章 教育社会学の課題と展望

 

〈研究内容紹介〉

専門は、教育社会学、共生社会学、歴史社会学、ナショナリズム研究、社会意識研究です。研究の主軸は、①国民国家論と②共生社会論に据えています。

①においては、世界をネイション単位で認識しようとする観念自体を研究対象とし、現代社会におけるその生成・維持・変容に対して、学校教育をはじめとする人間の社会的行為がいかに関与しているのかを理解することを目的としています。②においては、ナショナリズム・エスニシティ、ジェンダー、身体、世代、階級・階層の相違をめぐる社会的葛藤・対立の分析と、社会的共生のための理路と資源の探索を行っています。

近年は、文献調査によって戦後日本における「社会についての学び」の変容を、また意識調査によって現代日本における「共生を志向する社会意識」の構造を、それぞれ探索し、分析しています。

 

早稲田大学文学学術院教授
岡本 智周(おかもと ともちか)

早稲田大学第一文学部哲学科社会学専修卒業、同大学院文学研究科社会学専攻修士課程修了、ニューヨーク市立大学クイーンズ校大学院応用社会学専攻修士課程修了、早稲田大学大学院文学研究科社会学専攻博士後期課程修了。博士(文学)。早稲田大学国際教育センター助手、日本学術振興会特別研究員(PD)、筑波大学大学院人間総合科学研究科助教授、同大学人間系准教授を経て、2018年より現職。文学部社会学コース、大学院文学研究科社会学コースに所属。

著書に『共生社会とナショナルヒストリー』(勁草書房)、『歴史教科書にみるアメリカ』(学文社)、『国民史の変貌』(日本評論社、第1回日本教育社会学会奨励賞)、共著に『「ゆとり」批判はどうつくられたのか』(太郎次郎社エディタス)、『学校教育と国民の形成』(学文社)、編著書に『多様性と凝集性の社会学』(太郎次郎社エディタス)、『教育社会学』(ミネルヴァ書房)、『共生の社会学』(太郎次郎社エディタス)、『共生と希望の教育学』(筑波大学出版会)など。

(2026年7月作成)