Research Institute for Letters, Arts and Sciences早稲田大学 総合人文科学研究センター

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国際シンポジウム「人文知の明日を見つめて —メディアの刷新と知の変貌—」(2018/1/13)開催のお知らせ

国際シンポジウム

「人文知の明日を見つめて
—メディアの刷新と知の変貌—」

主催:私立大学戦略的研究基盤形成支援事業
「近代日本の人文学と東アジア文化圏 ―東アジアにおける人文学の危機と再生」
共催:早稲田大学 文化構想学部 表象メディア論系
日時:2018年1月13日(土) 13:00~18:50
場所:早稲田大学 戸山キャンパス 36号館382-AV教室

入場無料・参加自由(事前の申込や問合せは不要です)
※シンポジウム終了後レセプションを行いますので、是非ご参加ください。

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開催の趣旨

21世紀を迎えて世界が激動し混迷を深める中、「知」のあり方も大きく変貌している。その背景には、現在の世界をわたしたちは捉えることができるのか、という問いがある。

ナショナリズムやレイシズムの興隆、排他的な言説やヘイトスピーチの横行、ISの出現とテロ事件の多発、難民排斥・自国の利益を訴える右翼政党の台頭、貧富の差が広がりと世界的な経済成長の鈍化。世界はなぜそうなってしまったのか。そしてどこへ行こうとしているのか。われわれは今、世界の認識の更新を迫られていると言ってよいだろう。

世界の変貌を支えている重要な柱の一つはメディアの変貌である。ITやインターネットの発達は世界各地を一瞬でつなぎ、情報のあり方を根本的に変化させつつある。古代以来、人文知を支えてきた重要な柱の一つは文献学だった。文献は最も信頼できる情報であり、洋の東西を問わず、人類は文献を通して世界を理解し、他者の英知を認識してきた。しかし、混迷を深める社会の激動は、文献学を中心に発展し、巨大な足跡を残してきた人文学が、はたして現在の世界を有効に捉え得ているか、われわれに問いかけている。

その問いに答える知の試みも、世界の各地で始まっている。メディア考古学はこれまでの文献学が可視化できなかった文化の側面を明らかにしつつある。また、ニューメディア論は、創作と受容の関係が根本的に変化しつつあることを明らかにしつつある。

ITやインターネットの発達は、自由に分割し、組み合わせることができるモジュールの集合体としてテクストを捉えることを可能にした。若者は、個々のモジュールをデータベースとして内面に蓄え、それを自由に連結してテクストを読む。文学・マンガ・アニメ・映像の垣根を越えて、ストーリーや思想や文体よりキャラクターを鑑賞する読み方は、そうして生まれた。それとともに作品を通じて人間や社会の真実に触れること以上に、作品を通じてのコミュニケーションが重要視される受容の仕方が生まれている。

それだけではない。さらに言えば、人工知能の発達は、人間の「知」そのものの認識の更新を迫っている。

こうした動向は、文献学を中心に発展してきた人文知が、大きな転換点にさしかかっている、と言う問題意識に支えられている。われわれ「知」はどこへ行こうとしているのだろう。そして、われわれの「知」は変貌を遂げつつある世界に何ができるのだろう。

そうした問題意識から、メディア考古学・ニューメディア論・ポストモダン文化・人工知能の領域で、最先端の研究を展開している方々をお迎えして、人文知の現在とその未来について縦横に語り、議論していただくことにした。この試みを通じて、知のあり方の明日をほんの少しでも垣間見ることができれば、それに勝る喜びはない。

プログラム

第一部:「講演」(司会:千野拓政

13:00〜13:15 開幕の辞・趣旨説明(千野拓政
13:15〜14:45  エルキ・フータモ「ポストヒューマン世界における人文学の役割:メディア考古学の視点から【通訳あり】」
“The Tasks of Humanities in a Posthuman World : Media Archaeological Perspective” (with consecutive translation)
14:45〜15:00 ティーブレイク
15:00〜15:45 ドミニク・チェン「情報技術による人文知の刷新:知能から自律性の増幅に向けて」
“Innovation of Humanities with Information Technology: From Intelligence Augmentation To Autonomy Amplification”
15:45〜16:30 東浩紀「観光としての哲学、あるいはダークユートピアについて」
“Philosophy as a Tourism, or on the Dark Utopia”

16:30〜16:45 ティーブレイク

第二部:「パネルディスカッション」(司会:草原真知子

16:45〜18:45 パネリスト:エルキ・フータモ、ドミニク・チェン、東浩紀、千野拓政
18:45〜18:50 閉幕の辞(草原真知子

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