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- 【開催報告】第五回中日古典学ワークショップ/第五届中日古典学工作坊
【開催報告】第五回中日古典学ワークショップ/第五届中日古典学工作坊
Dates
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SAT 20241110
SUN 2024- Place
- 戸山キャンパス38号館AV教室
- Time
- 11月9日(土曜日)9時00分~18時00分、11月10日(日曜日)9時00分~12時30分
- Posted
- Mon, 11 Nov 2024
早稲田大学総合人文科学研究センター2024年度年次フォーラムとして、第五回中日古典学ワークショップ(第五届中日古典学工作坊)を2024年11月9日(土)・10日(日)の2日間にわたり戸山キャンパス38号館AV教室にて開催しました。
本ワークショップは、2018年以来、早稲田大学総合研究機構日本古典籍研究所と北京大学中国語言文学系の共催により、毎年両校を相互に訪問する形で行ってきました。2020年度、2021年度は新型コロナウィルス感染症の影響によりやむなく休会しましたが、2022年度にはオンライン、2023年度は北京大学を会場としてハイブリッド方式にて開催し、今年度は人文研の年次フォーラムとして位置づけ、早稲田大学にて対面開催する運びとなりました。ワークショップの狙いは、中国と日本が長い歴史を通して共有し、またそれぞれの特徴を育みつつ展開してきた古典学、古典籍について、中国における中国古典学研究者と日本における日本古典学研究者との学術交流のプラットフォームを作り、新たな研究の開拓、構築をはかろうとするものです。加えて、2019年度開催の第二回目以降は、大学院生を中心とするキャリア初期研究者による青年論壇の枠を設け、次世代研究者への橋渡しもはかっています。

開幕式:大稔哲也 氏(早稲田大学総合人文科学研究センター所長)

開幕式:劉玉才 氏(北京大学中文系教授、中国古文献研究中心主任)
今回のワークショップは、「文と名物、図像」を共通テーマとして、中日双方合わせて20名の教員による発表と、10名の大学院生、キャリア初期研究者による発表が行われました。発表に先立ち、開会式においては、主催者を代表してまず早稲田大学総合人文科学研究センター所長大稔哲也文学学術院教授が歓迎の言葉を述べ、東アジアの学術研究交流の重要性と、本ワークショップへの期待が示されました。続いて中国側の主催者を代表して、北京大学中国語言文学系教授、中国古文献研究中心主任の劉玉才教授より、これまで開催された中日古典学ワークショップの経緯やテーマ、成果が紹介され、一連のワークショップが言語の壁を越えて、実質的かつハイレベルな研究を蓄積してきたこと、そしてとりわけ今回のワークショップには中国側からベテラン研究者に加え、新進気鋭の研究者が積極的に参加しており、中日古典学の前途を照らすものとなるであろうという心強い言葉が述べられました。

第一セッション
ワークショップでの発表は、事前に発表原稿を両言語に翻訳した形で準備し、発表自体は一方の言語のみで行い、質疑応答とディスカッションの際のみ同時通訳をつける形で進行しました。なお翻訳および通訳は本学大学院生や訪問学者の協力を得ました。
当日の発表内容は多岐にわたるものとなりましたが、またそれぞれに重なり合う話題も多く、2日間の発表と議論を通して「文と名物、図像」という共通テーマにかかわる認識や思考が深まり、さまざまな新たな問題意識が共有される時間となりました。例えば、歴史とともに複雑な変化をみせる文字や語彙についての探究や、言葉と物の関係、あるいは文と図像との関係がいかに形成され、いかに継承されてきたのかを具体的事例とともに追究するものなど、中日古典学における文と物と図像のありようを改めて見直し、今後の研究のさらなる推進に向けての情報や活力を相互に提供し合い、学び合うワークショップとなりました。

青年論壇第一場
2日間のワークショップを締めくくる閉幕式では、北京大学中国語言文学系主任の杜暁勤教授から、本ワークショップが中日双方の、他領域にわたる研究者の交流を実現する機会となっていること、また、中日古典学の共通部分や異なる部分を明らかにしつつ、古典学における新たな課題を見出す成果を得るものとなっていることが指摘されました。そして、早稲田大学総合人文科学研究センター副所長のクリストファー・リーブズ准教授からは、ワークショップの豊かな議論を振り返るとともに、今後は中日、あるいは和漢の範疇にとどまらず、東アジア、さらには西洋を含めた広い視点からの議論への期待が述べられました。

閉幕式:杜暁勤 氏(北京大学中文系教授、北京大学中文系主任)

閉幕式:クリストファー・リーブズ 氏(早稲田大学総合人文科学研究センター副所長)
なお、ワークショップは、早稲田大学総合人文科学研究センター角田柳作記念国際日本学研究所、北京大学中文系中国古典学研究平台の主催、早稲田大学総合研究機構 日本古典籍研究所、早稲田大学特定課題研究助成費(課題番号:2024Q-004)の共催により開催され、2日間を通して学内外から79名の参加者を得て盛会の内に行われました。

集合写真
開催詳細
- イベント名:第五回中日古典学ワークショップ/第五届中日古典学工作坊
- 日時:2024年11月9日(土)9:00-18:00、11月10日(日)9:00-12:30
- 開催方式:対面(戸山キャンパス38号館AV教室)
- 主催:早稲田大学総合人文科学研究センター(角田柳作記念国際日本学研究所)/北京大学中文系中国古典学研究平台
- 共催:早稲田大学総合研究機構 日本古典籍研究所/早稲田大学特定課題研究助成費(課題番号:2024Q-004)
11月9日(土)
9:00~9:15 開幕式 司会:高松寿夫
あいさつ(歓迎詞):大稔哲也、劉玉才
趣旨説明:河野貴美子
9:15~11:00 第一セッション(第一場) 司会:河野貴美子、程蘇東
傅剛
靈蛇髻與《洛神賦圖》
霊蛇髻と『洛神賦図』
杜暁勤
中古时期画屏与诗歌的艺术相生——以庾信《咏画屏风诗二十五首》为中心的考察与推测
中古時期における画屏と詩歌の芸術的相生——庾信の『咏画屏風詩二十五首』を中心とした考察と推測
佐々木孝浩
和籍の形態と内容の相関関係について
和籍的形态与内容的相互关系
高松寿夫
奈良絵本『異形鳥獣図鑑』(仮称)断簡について
关于奈良绘本《异形鸟兽图鉴》(暂定名)残页的研究
吉原浩人
白居易の「写真」像―国宝『山水屏風』に描かれたのは誰か―
白居易的“写真”像——国宝《山水屏风》中描绘的是谁—
11:10~12:40 第二セッション(第二場) 司会:田中史生、傅剛
程蘇東
《玉燭寶典》所見劉歆《爾雅注》輯證
『玉燭宝典』所見劉歆『爾雅注』輯証
葉曄
再論詞與畫的換位問題——基於宋元明實物圖像的詞史考察
詞と画の位の置き換え問題再論――宋・元・明の実物画像に基づく詞史的考察――
笹原宏之
「桜」の字義の日本化とその背景
“樱”字字义的日本化及其背景
雷瑭洵
木瓜名实考
木瓜名実考
14:15~16:00 第三セッション(第三場) 司会:吉原浩人、葉曄
金程宇
從文本到圖像:孟浩然《春曉》東亞流傳形態考述
テキストから画像へ:東アジアにおける孟浩然「春曉」の伝播形態について
田中史生
唐・宋代海域交易者の観音信仰と図像
唐宋时期海上贸易者的观音信仰及相关图像
李成晴
也是“句图”:论唐宋别集、诗卷之序跋的排比摘句传统
「句図」としての側面、唐宋別集・詩巻の序跋における排比摘句の伝統について
李林芳
马和之《诗经图》中的政教体现
馬和之『詩経図』における政教の表現
河野貴美子
平安・鎌倉前期の文と画図の関係についての点描――仏画・文事・類書類から見る
平安・鎌倉前期的文與畫圖關係之探究——基於佛畫、文事及類書的視角
16:15~18:00 第四セッション(第四場) 司会:笹原宏之、金程宇
山本聡美
「一遍聖絵」における少康伝の受容
《一遍圣绘》中对少康伝的接受
劉玉才
《歷代君臣圖像》東亞傳播的文獻考察
『歴代君臣図像』の東アジアにおける伝播の文献考察
胡琦
披图视典:“饮酒读骚”的视觉叙事与考据解读
披図視典:「飲酒読騷」の視覚的叙事と考証の解読
程夢稷
再造“蠃虫”:近世《山海经》的图文重释与知识环流——以日藏孤本《京本蠃虫录》为线索
「蠃虫」の再造:近世『山海経』の図文再釈と知識環流――日本所蔵『京本蠃虫録』孤本を手がかりに
劉雨珍
《贈專使謙齋老師歸日域圖》及詩序探析
「贈専使謙斎老師帰日域図」と詩序をめぐって
11月10日(日)
9:00~9:20 第五セッション(第五場) 司会:劉雨珍、劉玉才
陣野英則
『枕草子』の類聚章段における「名」と物と作者たち
《枕草子》类聚章节中的“物名”、物与作者们
青年論壇
9:20~10:40 第一場 コメンテーター:高松寿夫、李成晴
廖彩宏
借助古典文本與名物圖像考釋漢字——以“皂”為例
古典文献と名物図像を借りて漢字を考釈する——「皂」を例として
宋專專
溯洄從之:從出土文獻看《詩經》的名物研究
溯洄従之:出土文献から見る『詩経』の名物研究
髙橋宙暉
鑑真一門と東大寺唐禅院について
鑑真一门与东大寺唐禅院
楊卓婧
「異国・異界」を表象するやまと絵における格子模様
大和绘中象征“异国・异界”的格子纹样—以《源氏物语·桐壶》卷的鸿胪馆为开端—
李苑彤
「奈河」から「三途川」へ変容する死後の世界観―出光美術館蔵「十王地獄図」を中心に―
从“奈河”到“三途川”所见变化的死后世界观——以出光美术馆藏《十王地狱图》为中心
10:55~12:15 第二場 コメンテーター:山本聡美、胡琦
朱瑞澤
“葉子”形制新證:以古記錄所見“葉子”“囊草子”“冊子”爲中心
葉子の形態についてー古記録に見える「葉子」「嚢草子」「冊子」を中心にー
許雲瀚
文物考辨与审美范式——明代官僚群体书画题辞研究
文物考証と審美のパラダイム──明代官僚群体の書画における題辞の研究
山本早紀
古典楽器の伝来と名称──「琵琶」を中心に──
古典乐器的传入与名称──以“琵琶”为中心──
劉佳琪
上田和英《唐詩選印譜》考——兼論日本近世的唐詩印譜
上田和英『唐詩選印譜』考——日本近世の唐詩印譜について
櫻本香織
茶書『南方録』における「カネワリ」の背景
茶书《南方录》中“kanewari”的理论背景
12:15~12:30 閉幕式 司会:陣野英則
あいさつ(致詞):杜暁勤、クリストファー・リーブズ