※本稿は2021年度に取材し、取材当時の情報を掲載しています。
「日本語教育実践研究(9)」では、日本語教育研究センターの中級レベルの留学生を対象に「クリティカル・リーディング」という読みの授業を実践します。この実践は、学習者にテキストとなる読み物の日本語を教えることを目的としているのではありません。テキストを理解した上で、学習者一人ひとりがその内容を自分の問題として捉え自分の考えを表現するとともに他者と考えを共有し、他者理解・自己理解を深めることを目標としています。
学習者同士、学習者と私たち受講生との協働と対話をとおして「ことばの学びの場」をともにつくりあげます。
受講生は、テキスト選びから授業実践までを協働でデザインします。学習者が日本語という言語を自分のことばとするまでのプロセスを支援する「場」について深く考え実践することは、日本語教育に携わる者としての土台づくりに確実につながっていると感じています。