※本稿は2021年度に取材し、取材当時の情報を掲載しています。
1997年北海道大学文学部卒業、1999年同大学文学研究科修士課程修了、2004年同大学国際広報メディア研究科修士課程修了。日本語教師の経験を経て2008年に当研究科博士後期課程に入学し、話しことばの文法をテーマに博士論文に取り組む。2014年7月に博士学位を取得。現在は群馬大学国際センター准教授の職に就き、日研でも非常勤講師を務める。
修士課程の時に留学生のチューターを経験し、ことばを軸にした人との交流、そのためのことばの研究に関心を持ちました。修了後、日本語学校の教師養成科で学び、韓国の大学に日本語教師として赴任。現場に立てた喜びの一方で日々課題に直面し、帰国後、実践力を身に付けたい一心で学び直しました。博士後期課程への進学では、日本語教育のあらゆる側面を視野に収める、他大学では得難い日研の研究環境に加え、北海道で仕事を続けながら遠隔で指導を受け、専門的に学べる教育体制が整っていることも決め手でした。
研究過程では、知識が増えるに従い、返って考えが凝り固まり停滞することを何度も感じました。そのような時、考えも及ばない切り口からいただく指導・助言をはじめ、多様な背景を持つ院生との関わりや先進的な学びの機会等、日研の豊かなネットワークに支えられて、そもそもの目的に立ち返り、新たに議論を進めることができました。多角的かつ柔軟に検討する目を養うことができたと思うとともに、この「力」は、研究の範囲に留まらない日常においても私の財産であると感じています。
現在は大学教員として留学生への日本語教育に携わっています。日研で培った「力」によって日々の実践から得られる発見が、日本語を学ぶ誰かの日常をわずかでも良い方向へと変える一助になるかもしれない。そう思えることが、私にとって日本語教育に携わる最大の原動力です。