現職:早稲田大学日本語教育研究センター 非常勤講師
日本語教育研究科創設10周年おめでとうございます。
私は社会人として働いてから日本語教育に関心を持ち転身しました。日本語教育の現場は毎日が新鮮な驚きにあふれていました。驚きはしばしば戸惑いや悩みとなりましたが、個人指導の仕事であったこともあり、現場での悩みや思いを共有できる仲間がいませんでした。それで、当時は、日本語教師をしている皆さんに会えるのが魅力で勉強会や研修に参加していました。いろいろな方にお会いするうち、徐々に自分に欠けているものが見えてくると同時に、自分も日本語教育という分野に専門家として臨みたいと思うようになりました。
日研の門を叩き飛び込むと、日研で学んだ日々はまさに怒涛の日々でした。考え続け、問い続けるかつて経験したことのない濃密な時の流れの中、議論を共有する仲間にも出会うことができました。早稲田の日研の魅力は何と言ってもリベラルで多様な研究の場であることだと思っています。私にとって修士課程での学びは、人生に対する考え方にも大きく影響を与えるものとなっています。
現在、日本語教育センターで科目を担当させていただき5年目になります。様々な科目やコースを実践させていただき、そのひとつひとつからたいへん貴重な経験をさせていただきました。日研で学んだことの大きさを思うと、少しでも恩返しができるように励みたいと思っています。日本語教育の専門家とは、実践研究なしには語れないということも学びました。今私は、問題意識を共有する仲間と共に、自分自身の仕事を更新し続けることができる日本語教師になることを目指したいと考えています。
大切なことを教えてくださった日研の諸先生方と日研生のみなさまに心から感謝いたします。その教えを胸に、自分の目標に向かってゆっくりでもこつこつと歩を進めていきたいと思います。