現職:早稲田大学大学院日本語教育研究科博士後期課程学生、早稲田大学日本語教育研究センター インストラクター(非常勤)
私が日研に入学したのは5年前のことである。入学当時は、研究が何かも分からず、知ることすべてに感動していた。しかし、しばらくして問題意識が芽生え、批判することを覚えた。それからまたしばらくして、批判するのをやめた。書き手、話し手の意図を100%理解することは不可能であるのに、自分の未熟な知識に基づいた勝手な解釈によって批判することは恥ずかしい行為だと気づいたからだ。また世の中には多様な意見があるということを認め、それに対して批判的ではなく肯定的で柔軟な態度を取っていれば、いつか自分のためになるのだと分かった。世の中には知らないことが本当に多い。しかしすべては何らかの形で自分とつながっている。それを自分にとって意味のあるものにするかどうかは、自分次第なのである。それを知ってから、人との接し方も変わった。他者を尊重することの本当の意味を知った。それは人間としての成長でもあった。
いくら勉強しても、勉強しすぎることは決してない。研究とは終わりのない旅である。挫折し、絶望し、前に進みたくなくなることもある。しかし、新しいことを知れば、また新しい世界が見えてくる。それと同時に、自分自身も大きくなれる。その喜びを、日研は教えてくれた。