※本稿は2021年度に取材し、取材当時の情報を掲載しています。
2012年エジプト・アインシャムス大学外国語学部日本語学科卒業、2018年カイロ大学日本語・日本文学科修士課程修了。2021年9月、文部科学省国費留学生として当研究科博士後期課程に入学。言語学習アプリのカリキュラム作成を手掛けてきた経験から、研究と実践を結び付けながら、言語学習教材の改善を目指し研究を進めている。
初めて日本語教育について学ぶことができたのが、筑波大学大学院での外国人研究生プログラムと国際交流基金カイロ日本文化センター開講の養成講座でした。日本語教育研究の重要性と面白さを実感し、この分野での博士後期課程進学を考えるようになりました。それまで長年にわたり言語学習アプリのカリキュラム作成に携わってきたことから、経験と研究をつなげ、言語学習教材の改善を図ることを目標に据えて日研に入学しました。
エジプトの大学にはゼミがない研究科が多いため、入学前はゼミでうまく人間関係を築けるか不安もありましたが、それはまったくの杞憂でした。所属する研究室のゼミでは、参加者による意見交換や提案の場が提供され、毎回多くの学びがあります。ゼミ生は皆、勤勉でフレンドリーな人ばかりで、自分はこれからどのような研究者になりたいのか、どのように後輩と接するべきなのかを考える上ですばらしいロールモデルを持つことができました。言語学習教材について知識を積み上げ、博士学位取得後は、言語学習アプリカリキュラムクリエーターとしてこれからの言語教育に貢献したいと考えています。
博士後期課程の研究は自分の将来と密接につながるものであると同時に、自らのアイデンティティの一部になるものと言えます。だからこそ入学に際しては、自身が目指す将来像を描き、指導教員や研究科の環境について詳しく調べ、熟考した上で選択することをお勧めします。