※本稿は2020年度に取材し、取材当時の情報を掲載しています。
ベトナムの大学に在学中、交換留学生として早稲田大学日本語教育研究センターに1年間留学。卒業後、ベトナムで日本語教師として働いた後、2014年に文部科学省の奨学金を得て当研究科修士課程に入学。2016年に博士後期課程に進学し、ベトナムで仕事をしながら博士学位取得を目指して研究活動に取り組んでいる。
ベトナムの大学で日本語を専攻しましたが、発音の習得に苦戦し、適切な練習法もわからず悔しい思いをしました。途中1年間、早稲田大学日本語教育研究センターに留学し、発音の授業を通して長年の悩みを解決することができ、それを機に日本語教師を志しました。大学卒業後、ベトナムで日本語教師として働いた後、私のように発音で悩む日本語学習者を支援できるようになりたいと、大学院進学を選択。修士、博士後期課程ともに日本語教育の音声教育に関するテーマを選びました。
博士後期課程に在学中の現在は、ベトナムで仕事をしながら、ゼミ活動や研究に取り組んでいます。充実したオンライン教育の仕組みに加えて、日研の教育体制の柔軟さや指導教員の寛大さにも支えられ、対面と同等の研究指導を受けることができています。仕事との両立に苦労することもありますが、ゼミの仲間とオンラインで研究の内容を考えたり議論したりする時間がモチベーションの向上につながっています。
日研での学びや出会いを経て、自身の明確な教育観を形成できたことは大きな成果です。また、海外での学会参加を通して、世界各国の日本語教育関係者とネットワークを構築することができました。修了後は、日研で培った知識や研究成果、人脈を生かし、ベトナムの日本語教育に貢献したいと思います。特に、発音のテキストの作成や、発音指導ができるベトナム人日本語教師の養成に注力したいと考えています。