現職:早稲田大学日本語教育研究センター インストラクター(任期付)
日研に入学したときは、日本語をめぐるあらゆることには答えがあり勉強すればよく分かるようになるものと思っていた。
ところが、入学以来すっきり「わかった」と思えたことはほとんどなく、実践研究の森を進めば進むほど(「彷徨う」かもしれない)分からないことが増えて行くという理不尽な現象に悩まされている。
このように、日研は私に「考える日々」をプレゼントしてくれた。ありがたいことであり、悩ましいことでもある。研究室での日々は、「自分は何をしたいのか、何を考えたいのか、何を解決したいのか」に向き合うことからスタートした。そして、自分の信念・教育観・実践観と自分のしていることを照らし合わせるという姿勢が身についた(と思う)。これはなかなかにしんどいことで、息切れしそうなときもある。が、今となっては、姿勢というよりも、すでに体質のようなものになってしまったようで、しょうがないのである。
日研は、かくもしんどい道を私に選ばせたが、同時に共に考える仲間も与えてくれた。この道を楽しみつつ、文句言い言い、日研に感謝しつつ、歩いてゆこうと思う。10周年おめでとうございます。そして、ありがとうございます。