現職:早稲田大学大学院日本語教育研究科博士後期課程学生
私が日研に出会ったのは、2006年韓国でである。
ただ日本語が好きで、日本語の勉強を続けたくて入った韓国外国語大学の大学院で、指導教授から留学を進められたのである。私は「早稲田?そんなすごい学校に?」という驚きから「ニッケンってなんだろう…」という疑問に変わった。その時まで自分の語彙リストに「ニッケン」ということばは存在していなかったのである。
その後、実際に入って経験した「日研」というところは、不思議なところだった。
その不思議な経験の1つ目は、韓国で本のカバーでしか見られなかった先生方が一つの研究科に集まっていたことである。どうやってこんなえらい先生が同じところにいることができるんだろうと思いつつ、毎日スターの追っかけファンのように色々な教室をまわっていた。
2つ目は、日研には先生だけでなく、本当に色々な人がいたことである。色々な国の人、色々な履歴を持っている人。でも、また不思議なことは色々な経験をもとに色々な言語で、みんな日本語教育を真剣に考えていた。日研の授業では、今まではあまり経験のなかった「話し合い」というのが多く、色々な人の色々な考えが聞けて、自分も本当に色々考えることができ、少し成長したと思う 。
3つ目は、日研で自分は学生なのに、先生にもならなければならないということである。
しかし、日本語が大好きな日本語学習者だった私は、いつか日本語教師になるのが夢であって、ちょうどその「学習者から教師」に移っていく「日研」という橋の上にいるのではないかと考える。
時々こんな不思議な立場に戸惑いもあったが、不思議な立場だからこそ得られる不思議な経験も多かった。特に留学生教師ということで自信がなかった実践の時間、自分は学習者のロールモデルになれるんだ!という気づきを得たのは、その後実践をやっていく中で本当に大事な考えになっていた。
これからもこの不思議なところで、他のところでは経験できない不思議な経験をたくさんしていきたいと思っている。