現職:シンガポール国立大学語学教育研究センター 所長補佐
日研創設10周年に心からご祝福申し上げます。
シンガポールと日本を行き来しながら学生生活を送った私にとって、日研で過ごせた日々は数えるほどしかありません。しかし、それ故に、そのひと時ひと時が本当に貴重なものでした。「教える」立場から「学ぶ」立場に戻れたことに感無量の思いで校門をくぐった初登校の日。キャンパスに腰掛け、海外では味わうことのできないコンビニのおにぎりを頬張りながら早大生のおしゃべりに耳を傾けた昼下がり。古書の匂いに満ちた書庫の中で研究のことをあれこれと思いあぐねた日々・・・いずれも私にとってかけがえもない思い出です。海外在住で現職、子育て中などなど、多くの制約があったにも関わらず、入学を認めてくださり、卒業までしっかりと導いてくださった先生方、事務手続きに不慣れな私に丁寧に応対してくださった職員の皆様、そして、たまにしか参加できないにもかかわらず、仲間としていつも温かく迎えてくださった日研生の皆さんに、この場を借りて御礼申し上げます。
日研のすばらしさは、「日研とわたし」が過去のものではなく、「今」でもあり続けていることだと思います。修了後もそのネットワークが更に拡大され、各方面で活躍するために必要な糧を分かちあい続けていけることだと思います。日本に未曾有の大惨事が続き、海外では日本語離れが深刻化している今、日研が社会に果たせる役割には多大なものがあります。私もその一員であることを自覚し、日本語教育に少しでも貢献できるようがんばりたいと思います。皆々さまのなお一層のご活躍と日研の末永いご発展を祈っております。