※本稿は2022年度に取材し、取材当時の情報を掲載しています。
中国出身。上海の復旦大学で日本語を専攻し、卒業後の2019年9月に当研究科修士課程に進学。街中にある日本語の広告看板などを活用した自律学習をテーマに修士論文に取り組む。修了後、有限責任監査法人トーマツに就職し、リスクアドバイザリーコンサルタントを務めている。
復旦大学で日本語を専攻していた際、日研で博士号を取った先生や日研に進学した先輩が身近にいたことから、日研への進学を志望しました。入学後は「中国人留学生として日本語を教えること」に向き合ってきました。非日本語母語話者である私は、表現の自然さや発音においては未熟ですが、学習者としての経験を持っているからこそ学生と共感し合える瞬間も多くあることを、実践研究などを通して実感しました。
「年少者日本語教育」がテーマの実践研究では、ウズベキスタンから来日した生徒を対象に、生徒が在籍する公立中学校で週1回、対面の個別指導を行いました。自分自身の留学経験を踏まえながら生徒に寄り添うことを心がけ、日本語指導にとどまらず、生徒が目標を実現していく上での現状の課題やその解決策を共に考えることにも力を注ぎました。生徒が成長する姿や、本人の喜ぶ顔を目の当たりにしたときに指導員として大きなやりがいを覚え、この一連の経験が、コンサルティング業界を志すきっかけになりました。
日本の監査法人で経営コンサルタントを務める今、企業の目指す方向性を描き、そのための課題解決を企業と共に考えていく上で、日本語教育指導員の経験は間違いなく活きると感じています。また、日研で多様な背景を持つ人々と出会って異文化を実感し、さまざまな方法でコミュニケーションに努めた経験も、日々の業務において非常に役立っています。