公開セミナー 村上春樹文学に出会う#11
余盛延 「村上春樹、カズオ・イシグロ、そして世界文学」(10月11日開催)
公開セミナー「村上春樹文学に出会う」シリーズを開始して一年、多くの村上文学翻訳者や研究者、一般読者の方々に、村上作品との“出会い”や“絆”について語っていただきました。今年度も村上文学を読む「小確幸」や文学研究の魅力を来館者と交流し合い、風通しの良い「文学の家」を目指していきます。
第11回は、台北科技大学教授の余盛延先生を招いて「村上春樹、カズオ・イシグロ、そして世界文学」をテーマにお話していただきます。
村上の『1Q84』とイシグロの『日の名残り』は、異なる文化的・地理的背景にありながら、職務が個人関係、特に父子関係に及ぼす影響について同じく深い洞察を示唆しています。『1Q84』では、厳格なNHK受信料の集金人である天吾の父が、息子を集金業務に付き合わせ、心理的な傷を残させました。一方、『日の名残り』では、父ウィリアム・スティーブンスが執事としての職務に対する理想的な献身を体現し、息子である主人公スティーブンスには模範となりました。しかし、皮肉なことに、この揺るぎない仕事への献身は、スティーブンスがプライベートより職業上の責任を優先させ、父の最期にさえ立ち会えないことに発展します。
余先生はこれらの対照的な物語を通じて、プロフェッショナリズムと父子関係というテーマと、世界文学における二人の作家の表現様式を中心に考察していく予定です。
講演後には、来場者の方とのQ&Aも予定しております。奮ってご参加ください。
ポスターのダウンロードはこちら
詳細
- 開催日時:2024年10月11日(金)14:00〜15:30
- 開催場所:国際文学館(通称:村上春樹ライブラリー)2階ラボ
- 使用言語:英語(通訳あり)
- 参加:無料・予約不要
- 主催:早稲田大学国際文学館
講演者
余 盛延(よ しんえん)
米国ニューヨーク州立大学英文学博士。現在国立台北科技大学教授・京都大学人と社会の未来研究院招へい外国人学者。研究領域はルネサンス演劇、英語による世界文学、ポストコロニアル理論と文学であり、シェイクスピア、J.M.クッツェー、村上春樹、カズオ・イシグロなどの作家の作品が研究テーマとなる。
通訳
周 玉慧(しゅう ぎょくえ)
広島大学教育学研究科心理学博士。現在台湾中央研究院民族学研究所研究員・京都大学人と社会の未来研究院招へい外国人学者。研究テーマは、家族・親子・夫婦関係、対人サポート、二者間権力と相互作用、デジタル依存症や心理的福祉など。近年は心理学的視点から村上春樹の作品分析を始めている。
監修
権 慧(国際文学館)
注意事項
座席数を超えた場合は、立ち見でご覧いただく、または入場を制限させていただく可能性がございますので、あらかじめご了承ください。
主催者側で記録のため撮影または録画することがあります。
体調管理、手洗い・手指消毒などの基本的な感染症予防対策をお願いします。
マスク着用については本人の判断に委ねます。
当イベントに関するお問い合わせ
- 早稲田大学国際文学館
email:wihl★list.waseda.jp(★部分を@に変更してください。)