公開セミナー 村上春樹文学に出会う・特別鼎談
小城及其変幻不定的墻(まちとそのふたしかなかべ) 4月19日開催
公開セミナー「村上春樹文学に出会う」シリーズを開始して一年、多くの村上文学翻訳者や研究者、一般読者の方々に、村上作品との“出会い”や“絆”について語っていただきました。今年度も村上文学を読む「小確幸」や文学研究の魅力を来館者と交流し合い、風通しの良い「文学の家」を目指していきますので、よろしくお願いいたします。
本セミナー開始1周年記念特別回として、村上文学研究者・小山鉄郎先生、村上文学中国語翻訳者・施小煒先生、中国文学研究者・藤井省三先生をお招きして、鼎談を行います。
村上春樹の6年ぶりの長編小説『街とその不確かな壁』は2023年4月の出版前から世界中で注目されてきました。中国でも同様に、SNSや読者書き込みサイトなどで大きな話題になり、まだ単行本化されていなかった同作の前身とも言われる「街と、その不確かな壁」(『文學界』、1980年9月号)を求める声も少なくなかったようです。それと同時に目立ったのが、村上作品が出版されるたびに起きている「版権争奪戦」です。複数の出版社が同作の版権をめぐって競い合い、最終的には読客文化より今年夏に出版される予定です。施先生は昨年9月から半年をかけて同作の翻訳に取りかかり、脱稿後に来日されました。
一語一語との“格闘”を終えたばかりの施先生が、最新長編から受けた印象を語り、直接作家から刊行後の言葉を引き出した小山先生、村上文学と中国との関係を論じ続けている藤井先生、お三方で村上作品の文体がどう変わったのかなど、深く読み取っていきます。
鼎談後には、来場者の方とのQ&Aも予定しております。奮ってご参加ください。
詳細
- 開催日時:2024年4月19日(金)14:00〜16:00
- 開催場所:国際文学館(通称:村上春樹ライブラリー)2階ラボ
- 使用言語:日本語
- 参 加:無料・予約不要
- 主 催:早稲田大学国際文学館
鼎談ポスターのダウンロードはこちら
講演者
小山 鉄郎(こやま・てつろう)
1949年生まれ、群馬県出身。共同通信社編集委員・論説委員。村上春樹は次代の日本文学を担う作家だと注目し、85年から取材を続ける。村上へのインタビューは計11回にも及ぶ。村上春樹文学の解読などで文芸ジャーナリズムを広げたとして、2013年度日本記者クラブ賞を受賞。2023年9月に『街とその不確かな壁』をめぐって、村上にインタビュー。主な著書に『空想読解 なるほど、村上春樹』(共同通信社)、『村上春樹の動物誌』(早稲田新書)、『村上春樹クロニクルBOOK1』、『村上春樹クロニクルBOOK2』(春陽堂書店)など。
施 小煒(し・しょうい)
1957年生まれ、中国・安徽省出身。1982年2月復旦大学外国文学部日本文学科卒業、復旦大学助手・専任講師を務めたのち、1989年10月に日本文部省(当時)奨学金留学生として来日、早稲田大学大学院文学研究科に留学。1995年3月博士後期課程単位取得、中退。日本大学文理学部講師を経て、2007年3月中国帰国。その後上海杉達学院大学教授を勤め、2020年9月にリタイア。公開・出版の中国語・日本語
著書は24点、日本文学作品中国語訳は43点、うち、村上作品翻訳は13点。
藤井 省三(ふじい・しょうぞう)
1952年生まれ、東京都出身。名古屋外国語大学教授・図書館長、東京大学名誉教授。東京大学大学院人文科学研究科中国文学専攻修士課程を修了後、中国政府国費留学生として復旦大学への留学を経て、82年3月に東大大学院博士課程を単位取得満期退学。91年9月、東大より博士(文学)の学位授与。専門は現代中国語圏の文学と映画。主な著書に『魯迅と日本文学――漱石・鴎外から清張・春樹まで』(東京大学出版会)、『魯迅と世界文学』(東方書店)、『村上春樹と魯迅そして中国』(早稲田新書)などがある。
監修
権 慧(国際文学館)
注意事項
どなたでもご参加いただけます。座席数を超えた場合は、立ち見でご覧いただく、または入場を制限させていただく可能性がございますので、あらかじめご了承ください。
主催者側で記録のため撮影または録画することがあります。
体調管理、手洗い・手指消毒などの基本的な感染症予防対策をお願いします。
マスク着用については本人の判断に委ねます。
当イベントに関するお問い合わせ
- 早稲田大学国際文学館事務局 email:wihl★list.waseda.jp(★部分を@に変更してください。)