Open Talk 少年よ、武侠精神を抱け:村山槐多「殺人行者」から見る雑誌『武侠世界』の冒険・武侠・男性生
早稲田大学国際文学館を訪れる方々に、文学を読む面白さや文学研究の魅力を感じていただくための講演会を開催しております。今回はハワイ大学大学院博士課程のターニャ・バーネット氏によるトークとA&Qをお楽しみください。
本発表では、画家・詩人という村山槐多の短編小説『殺人行者』を20世紀初頭の少年雑誌『武侠世界』における冒険小説の世界や男性性の言説的構築と重ね合わせながら考察します。『武侠世界』のメディア状況を通して、帝国の拡大や不良学生をめぐる「モラル・パニック」を背景に、同誌が少年に向けた冒険小説を器として国家イデオロギーを唱導し、男性的で武侠精神に満ちた帝国的主体を促すことを論じますが、本発表では、『武教世界』に掲載された槐多の『殺人行者』が、冒険的な要素や不良学生のディスクールを用いて、ヘテロ規範的な男性主体の構築をクィア化し、人種や国家に縛られない別のアイデンティティを提示していることを明らかにします。
詳細
- 開催日時:3月24日(金)12:15-13:15
- 開催場所:早稲田大学国際文学館(通称:村上春樹ライブラリー)2階ラボ
- 言語:英語
- 参加:どなたでも無料でご参加できます。
※当日参加の場合、人数制限のためご入館できない場合もございます。あらかじめご了承ください。予約枠(B)の事前申し込みをおすすめします。
入館予約はこちら - 主催:柳井イニシアティブ グローバル・ジャパン・ヒューマニティーズ・プロジェクト
- 協力:国際文学館
講演者
ターニャ・バーネット
ハワイ大学マノア校。博士候補者。日本文学のなかのクイア・ナラティブに関する研究を行い、主に明治後期から大正初期までの日本国内におけるアドベンチャー、探検、発見的な物語を考察している。
ファシリテーター
エリック・シリックス
早稲田大学国際文学館助教
イベントに関する問い合わせ
- 柳井イニシアティブ事務局email:yanai★list.waseda.jp(★部分を@に変更してください。)