私が社会科学部に講師として就職したのは昭和四十七年四月一日である。私と一緒に三人の先生が着任されたが、御三方ともすでに定年で大学を去られ、私が最後になった。大学を去るに当たって思うことは、早稲田の教員になって本当によかったということである。私は早稲田に来る前は横浜の或る私立大学の工学部に勤務していた。この大学はキリスト教主義の教育方針を掲げる宗教色の濃い大学であったが、そのことが学園紛争の火種になり、全国で最も激しい紛争校になっていた。
早稲田大学歴史館は、歴史資料を収集・整理・保存・公開するアーカイブズであると同時に、教育研究・学生・卒業生の活動に関する展示を行う博物館として、建学以来の個性と越境性を広く世界に発信しています。