
(左から)米原さん、政本さん、鏑木さん、倉金さん。早稲田キャンパスにて
ボランティアと聞くと、「やってみたいけどなんだか敷居が高そう… 」と感じる人も多いのではないでしょうか。実は、早稲田大学では学生参画・ジョブセンター(SJC)の取り組みの一環として、学内で気軽に参加できるボランティアが存在します。今回は、実際に学内ボランティアを行っている4人の学生で座談会を実施し、活動内容やその魅力について、たっぷり語ってもらいました。記事の最後では学内ボランティアの募集概要も紹介するので、気になった人はぜひ参加してみてください!
INDEX
▼1.現役スタッフが語る! 早稲田だからできるボランティアの魅力
▼2.学内ボランティア募集概要
1.現役スタッフが語る! 早稲田だからできるボランティアの魅力
こうはいナビ 学生スタッフ 法学部 2年 倉金 駿陽(くらがね・としはる)
文化推進学生アドバイザー 文学部 3年 政本 里彩(まさもと・りさ)
学生留学アドバイザー 国際教養学部 4年 米原 希(よねはら・のぞみ)
日本語授業ボランティア 学生スタッフ 文学部 2年 鏑木 怜依(かぶらぎ・れい)
学内での活動はメリットだらけ! 空いた時間で気軽に参加
――まずは、皆さんが参加している学内ボランティアの活動内容を教えてください。
倉金:こうはいナビは名前のとおり後輩に向けて活動するボランティアで、約50人で活動中です。新入生の入学前後の不安を解消するだけでなく、早稲田大学を目指す受験生も未来の“こうはい”と考えてサポートの対象としています。例えばオープンキャンパスや早稲田祭などで、受験に関する個別相談を行ったり、授業内容や時間割紹介といった大学生活がイメージできるような資料を展示したりしています。

早稲田の課外活動を紹介する「キャリアスタートガイダンス」(2025年4月)で新入生にこうはいナビの活動について倉金さんが説明している様子
政本:私が所属する文化推進学生アドバイザーは現在30人で、早稲田文化を学生の視点から発信しています。堅そうに聞こえるかもしれませんが、学内にあるミュージアムのような芸術や歴史に関するものだけではなく、サークル活動やワセメシなど、早大生にとって身近なものも早稲田文化として捉えているんですよ。毎年5月のミュージアムウィークと10月の文化芸術週間の、主に二つのイベントを企画・運営しています。
米原:学生留学アドバイザーは、留学センター所属のボランティア団体です。留学センターの中長期留学プログラム(1学期以上)に参加した学生で構成されていて、現在33人で活動中です。留学で得た知識や経験を生かして、留学に興味を持つ早大生を対象とした相談会などのイベントを企画して開催したり、留学センター主催のイベントのサポートをしたりしています。
鏑木:日本語授業ボランティアでは、留学生対象の日本語科目の授業に参加して、留学生の日本語学習をサポートします。具体的には、留学生が書いた日本語の文章をチェックして文法の誤りがないか確認したり、留学生と日本語で会話の練習をしたりしています。学生スタッフは現在170人ほどです。

日本語科目の授業中の様子。パソコンのツールを使い、 正しい日本語のイントネーションになっているかを確認。右が鏑木さん
――学内ボランティアを知ったきっかけと、参加を決めた理由は何ですか?
倉金:僕は、入学してすぐ… まさに“こうはい”だった時、まず何をすべきか見当がつかず途方に暮れていたら、こうはいナビが科目登録相談会を開催していて利用したのがきっかけです。その後、自分の経験を高校生や新入生に伝えたいと思い、すぐにスタッフに応募しました。

文化推進学生アドバイザー・政本さん
政本:私の場合は、Wasedaメールがきっかけです。ボランティア参加者を募集する内容のメールに「早稲田が好きな人はぜひ!」と書かれていて、これは私にピッタリだと思ったんです!
鏑木:私も、Wasedaメールで日本語授業ボランティアのことを知ったのがきっかけですね。参加を決めたのは、留学生と交流を持ちたいという気持ちがあったのと、私たちが当たり前のように使っている日本語が、留学生に対してどのように教えられているのか興味があったからです。
米原:私は大学2年生の8月から3年生の5月までアメリカに留学していたんですが、その前に留学アドバイザーにお世話になったんです。留学の準備や現地の暮らしについて、同じ地域や大学に留学した先輩から教えてもらいました。そして帰国後、あまりにも留学が楽しかったので、この魅力をたくさんの早大生に知ってほしいと思い、留学アドバイザーに参加しました。
――学業と両立するために工夫していることはありますか?
鏑木:日本語授業ボランティアは、最初に活動可能な時間帯を申請できるんです。私の場合、例えば今学期は木曜日の授業が3時限だけなので、2時限を活動時間に充てています。ちなみにこうはいナビにも参加しているんですが、そちらは木曜日の5時限。学業とのバランスも取りやすいですよ。
倉金:そうですね、掛け持ちも可能ですよね。こうはいナビはたくさんの企画があって、それぞれに対してコミット具合を自分で調整できるんです。ミーティングも、授業があったりキャンパスが遠かったりする人がいるので強制参加ではありません。

学生留学アドバイザー・米原さん
米原:学生留学アドバイザーも同じような感じです。定例会を除いては、プロジェクトごとにメンバーを募るので、自分の状況次第でどのくらいコミットするかを決められます。
政本:文化推進学生アドバイザーもミーティングは月1回のみで、あとは班ごとに分かれて活動します。 例えばクイズを考える班、グッズを考える班、といった感じです。ミーティング以外は空きコマで作業できますし、隙間時間を有効活用できるボランティアだと思います。
ボランティアを通じて得られるかけがえのない経験 “もらう”側から“提供する側”へ
――活動の中で印象に残っている出来事を教えてください。
米原:2025年4月に実施した「春の留学フェア」の1コーナーで、留学に興味のある学生を対象とした留学経験者によるパネルディスカッション企画です。メンバーのほとんどが就職活動や研究などで忙しい中、ちゃんと協力を得られるか不安な部分もあったのですが、やり遂げることができて達成感がありました。来場者アンケートに「留学したくなった」「不安が解消された」というコメントがあって、私たちの活動が役に立っていると感じてうれしかったです。

「春の留学フェア」にて、米原さんは1日目の司会を務めた。2日間のイベントで約160名の学生が来場
倉金:僕も、2024年のオープンキャンパスでは、早稲田を目指している受験生の力になれたと実感できてうれしかったし、やりがいを感じました。「いつ頃から赤本を解き始めたのか」といった具体的な質問にも、実際に受験を乗り越えた早大生が答えることができたのが良かったと思います。
政本:私は、早大生だけでなく地域の方が、ミュージアムウィークで制作したトートバッグを持ってくださっているのを見た時に、多くの人に喜ばれるグッズを企画できたと思えました。また、卒業式の日にワセダベアと一緒に記念写真を撮れるというプロジェクトを実施した時には、たくさんの卒業生の笑顔を見ることができて、とても幸せな気持ちになりましたね。
写真左:2025年5月の「ミュージアムウィーク」で制作したオリジナルトートバッグとワセダベアクリップ
写真右:ワセダベアプロジェクトは、卒業生がワセダベアと写真を撮れるサービスとして2024年度の卒業式から実施中。左端が政本さん
鏑木:私は留学生と接することで、私自身の学びにもつながっていると感じることがあります。日本語授業ボランティアというと、「教える」側にあるように思われがちですが、例えば留学生が日本語で母国の魅力を伝えるというワークでは、私がたくさんの国の文化を「学ぶ」こともできるんです。
――学内ボランティアに参加するメリットとは、ズバリどんなことですか?

日本語授業ボランティア学生スタッフ・鏑木さん
鏑木:学内で活動できる、というのが最大のメリットだと思います。いろんなところに行って活動するボランティアだと、ハードルが高くなることもありますよね。でも学内ボランティアなら、学生生活の一部として活動できるので、とてもお勧めです。
米原:そうですね。学内だからこそ、早大生ならではの経験や知識を生かせるし、ボランティア仲間も活動の対象となる人たちも、近いコミュニティーに属しているという安心感があります。

こうはいナビ学生スタッフ・倉金さん
倉金:学生は、教育をはじめさまざまなことを学びながら“もらう”立場にあると思うんですが、学内ボランティアに参加することで“提供する”立場にも立てるんじゃないかと思います。早稲田大学について後輩に伝えることで、自分の中に新しい視点が生まれるとも感じます。
政本:そういう意味では、ボランティアに参加することで、お金じゃ買えない体験を得られているなって思いますね。
――最後に、学内ボランティアに興味を持っている学生にメッセージをお願いします。
米原:ボランティアに参加する経験自体が自分の財産になるってことをぜひ伝えたいです。
鏑木:学業やアルバイト、プライベートなどと両立しやすくて、気楽に参加できるのでお勧めですよ。
政本:文化推進学生アドバイザーであれば、大学公式のマスコットキャラクターであるワセダベアを使ったグッズを作れるので、すごく貴重な経験ができると思います!
倉金:こうはいナビは、早稲田大学という大きな看板を背負って受験生や新入生と関わるボランティアなので、準備をしているときもイベント当日も、プレッシャーを感じることがあります。でも、そのプレッシャーをうまくモチベーションにつなげていく経験は、将来きっと役立つと思いますよ。

文化推進学生アドバイザーが制作したグッズを持って、記念にパシャリ
取材・文:吉田 けい
撮影:石垣 星児
2.学内ボランティア募集概要
今回座談会に参加した学生が取り組んでいる、学内ボランティアの募集概要を紹介します。応募はいずれも、MyWasedaの専用フォームから申請してください。
こうはいナビ
募集時期:例年、各学期が始まる頃に募集。2025年秋学期の募集開始は9月中旬頃を予定
※詳細は、こうはいナビWebサイト(なびlog)で確認してください。
X:@WU_kouhainavi
Instagram:@wu_kouhainavi
文化推進学生アドバイザー
募集時期:例年、11月下旬から12月上旬頃に募集
※詳細は、文化推進学生アドバイザーWebサイトで確認してください。
X:@waseda_bunka
Instagram:@waseda.culture.student
学生留学アドバイザー
募集時期:通年(留学センター提供の中長期留学プログラムに参加した学生が対象)
※詳細は、留学センターWebサイトで確認してください。
Instagram:@ryugakuadviserw
YouTube:@ryugakuadviserw
日本語授業ボランティア
募集時期:例年、各学期が始まる頃に募集。2025年秋学期の募集開始は9月中旬頃を予定
※詳細は、日本語教育研究センターWebサイトで確認してください。
Instagram:@waseda_univ_cjl
Facebook:https://www.facebook.com/cjl.waseda/
なお、今回紹介したもの以外にも、学内で取り組めるボランティアや、スチューデント・ジョブがあります。こちらからぜひチェックしてみてください。
【次回Special Issue予告】6月30日(月)公開「“怖さ”はなぜ、私たちを惹きつける?」