2021年秋の参加者からいただいた感想文をまとめましたのでご参考までに!
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国境を越えてできた新たな友人
教育学部 A.M.
私は2021年春学期から日英オンライン・エクスチェンジ・プログラムに参加しており、今回が二回目の参加です。私がプログラムへの参加を決めた理由は二つあります。
一つ目は、海外の歴史や文化を学びたかったからです。私は高校時代から世界史や地理が好きで、現在も教育学部で東洋史を専攻しています。そうした勉強を行う中で、文献やインターネットを通じて知識を身につけるだけでなく、現地の方々から生の声を聞くことで知見を深めたいと考えるようになりました。
二つ目は、英会話能力を向上させたかったからです。大学一年生の夏休みにフィリピンへ短期留学をした際、私は英語が全く話せずに苦労しました。そこで日本へ帰国後、英会話能力を上げようと英語を勉強し始めましたが、なかなかスピーキングスキルが伸びませんでした。そんな時に本プログラムの存在を知り、ネイティブスピーカーと話すことで英会話能力を向上させられるのではないかと感じて応募しました。
今回のプログラムでは、シンガポールにある南洋理工大学に通うJさんとマッチングのうえペアになりました。ミーティングはDiscordを使用して週に一度、二時間ほど行っています。毎回のミーティングで次回の日程を決めるようにしているため、お互いの都合に合わせてプログラムを続けられています。ミーティングではアニメやK–POP、祝日の過ごし方、就職活動などさまざまな話題で会話をしています。特に私たちは二人とも東洋史を専攻していることもあり、歴史に関する話をすることが多いです。歴史というテーマについて英語で話すことは非常に難しいですが、翻訳サイトやジェスチャーを使うことでつたない英語でも会話ができています。さらにジンさんは日本語が上手なため、私の話す内容の意図を汲み取って適切な英単語を教えてくれることも多々あります。このように楽しみながら勉強ができるため、日々充実感を得られています。
このプログラムを通して、当初の目的である「海外の歴史や文化を学ぶこと」、「英会話能力を向上させること」を達成できました。例えば、シンガポールにおける年末年始の過ごし方や兵役制度などを教えてもらうことで、シンガポールの実態について詳しく知ることができました。また、現地の学生がよく使う言葉を教えてもらうことで、生きた英語を話せるようになりました。加えて、国境を越えて新たな友人をつくることができました。ジンさんというお互いを刺激し合って成長できる友人ができたことは、私にとって嬉しい財産になりました。こんなにも海外の方と仲を深められる機会は滅多にないと思います。皆さんにもぜひ参加していただきたいです。
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海外の友達
アジア太平洋研究科 山本 美来
私はオーストラリアのシドニー大学と、シンガポールの南洋理工大学の学生とマッチングされました。基本的には、それぞれと週に一回、一時間程度、ZoomとSkypeを利用して会話をしました。LINEで写真やメッセージを送り合うこともよくあります。私たちは、日本語と英語を使う時間を明確に分けませんでした。二人のうち一人は、初級レベルの日本語力だったので、簡単な会話表現や単語だけを使うように心がけました。もう一人は、日本語レベルが高かったので、日本語と英語を混ぜて話しました。私は英語を話して、相手は日本語で答えるような感じで話していました。
最初の頃は、どんな相手だろう、語学力はどれくらいだろう、話は合うのか通じるのか、不安でした。しかし、お互いの自己紹介から始まったエクスチェンジプログラムは、いつの間にかお互いの些細な日常の話や、悩み相談までできるようになりました。このような関係になることができた要因は、主に三点あると思います。
まず、新型コロナ感染症の影響で、お互いにオンラインで話すことに慣れていたということです。オンラインで初めて会うことに対してあまり抵抗がなくなってきたことは、世界中の学生に共通であることに気づきました。
二点目は、お互いに自分のスケジュールを優先し、無理なく続けたことです。私たちは、毎回、最後に次の日程を決めていました。しかし、試験で忙しい時や、急に予定が入った時は遠慮なく伝えて日程を改めたり、一回スキップしたりと柔軟な対応をしました。自分に負担のないようにしたことで、相手と気持ちよく続けられたと思います。
三点目は、お互いの語学力や文化を尊重しながら話ができたことです。私自身は、意図しない相手の文化への偏見にかなり注意を払いました。誰にでも悪意のない失礼な発言をしてしまうリスクはあると思っています。相手が間違えた言葉を使った時は柔らかい口調で指摘し合い、間違えても大丈夫だよと言い合いました。実際にお互いのエッセイを添削しあったり、IELTSのSpeakingの練習に付き合ってもらったりしました。正月の過ごし方やおすすめの飲食店や映画、最近の流行りをお互いに教え合ったりもしました。その中で、興味深かったことは、日本ではGoogleで検索することを“ググる”と言いますが、英語でも、 “I google it.”とGoogleを動詞化させて使うそうです。
最後に、私が会話力を上げるためにやっていたことをご紹介します。いつもZoomを始める前に、その日話したいことを一つだけ考えて、事前にわからない単語を調べました。会話の中で、自分が分かる表現に言い換えて話すことも大切だと思いますが、先に準備しておくことによって、会話の中で使う頻度の高い単語や表現がよくわかり、語彙も増えました。また、終了後はその日に教えてもらった表現をノートに書くようにしました。毎日英語を使っているわけではないので、どうしても忘れてしまうため、繰返しその表現が使えるようにメモをしました。
私は、毎週の会話を通じて、確実にSpeakingとListening能力を向上させる事ができたと思います。とりわけ同世代の人と話すことによって、よりナチュラルな会話表現を学ぶ事ができたと思っています。全体を通して、英語が話せないから話さないのではなく、話すことで自信をつけて、英語への抵抗をなくすべきだなと強く感じました。自信がなくて英語での会話に参加できない方にとっても、二人だけで会話をできる時間は有意義だと思います。また、わたしはこのエクスチェンジプログラムに参加したことによって、実際に将来会って話したいねと言えるくらいの関係を築く事ができました。今のうちにこのようなプログラムに参加して、人脈を広げることも大切だと思います。私たちは、これからも無理のない範囲でオンラインエクスチェンジを続ける予定です。同世代の海外の学生と話してみたい方、異文化を知りたい方だけでなく、私のように英語に苦手意識のあるような方こそぜひ参加してみてください。
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他国の大学生活をもっと身近に
国際教養学部 岡本 唯
私は2021年度の秋学期から日英オンライン・エクスチェンジ・プログラムに参加し、アメリカに住む同級生のパートナー学生と約半年間交流を深めてきました。私のパートナーは大学で日本語を勉強しているため、英語と日本語を使った会話を通してお互いの言語力や異文化に対する学びをサポートし合っています。
私たちは、基本的に毎週30分ほどZoomを使って交流しています。トークテーマは特に決めず、いつも友達との日常会話のようにフリートークをしながら、お互いの趣味や大学生活、ワクチン接種についてなど身近な話題を共有しています。時には気になる国際時事ニュースに対する意見を聞き合ったり、お互いの国の祭日や習慣の違いについて話し合ったりし、異文化の理解を深めることができました。中でも、大学の学生寮を回って案内してくれたり、学校内で提供されるアルバイトの内容を紹介してくれたり、アメリカでの大学生活を身近に感じさせてくれたことがとても新鮮で興味深かったです。
本プログラムを継続する上で大切なことは、パートナーとお互いの予定や状況を確認し、受け入れ合うことだと感じました。私たちのようなアメリカと日本間の交流の場合、時差による難しさはもちろんのこと、長期休暇や試験期間などによるスケジュールの違いもあるので、固定の曜日や時間を決めていてもなかなか毎週定期的に話すことは厳しいと思います。お互いの負担にならないよう、忙しい期間は気軽に連絡し柔軟に予定を調整することを事前に確認し合っておくとスムーズに、そして友好的に交流を継続できると思います。
私は、応募した当初は言語力の向上や好奇心がきっかけでしたが、今ではパートナーの学生と最近の出来事や喜びを共有し合いたいと思うほどの良い友達になることができました。現在はオンライン上での交流に限られていますが、今後渡米する機会があれば実際に会いに行きたいと思っています。本プログラムに参加し、そしてパートナー学生とマッチングしていただけて本当に良かったです。企画・実行していただいたICCスタッフの皆さんに感謝したいです。
私は本プログラムを通して、アメリカの大学の様子や雰囲気を身近に感じることができました。また、コロナ禍で学生同士の交流の場が少ない中、オンラインを利用して国境を越えた交友関係を築けたことは私にとって有意義な経験となりました。大学生だからこそできる貴重な経験だと思うので、本プログラムへの参加を検討している方は是非参加してみてください。
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パートナーとの交流を通じて
国際教養学部 A.S.
私は国際教養学部に所属しているにもかかわらず、自分の英語に全く自信がありませんでした。そんな時にICCのウェブサイトでこのプログラムを見つけ、参加を決めました。最初、パートナーのTさんとはSkypeで連絡を取っていたのですが、お互いSkypeをほとんど使わないため途中からLINEで連絡を取り合うようになりました。週に一度のビデオ通話に加え、ほぼ毎日チャットをしていました。
プログラム継続のコツは、お互いの言語を使ってコミュニケーションをとることだと思います。英語が学びたいからといって英語で話し続けてしまったら、自分自身の学びにはなりますが、パートナーの学生はずっと母語で話すことになるため退屈になってしまうでしょう。私たちは「今からは日本語だけで話そう。」と先に決めておいて、ある程度時間が経ったら英語に切り替えて話しました。チャットでは特に○○語だけで話す、とは決めず双方の言語を混ぜて話していました。また、何曜日の何時から、というように具体的にいつ通話をするかを決めることも継続のために不可欠だと思います。そうすることによって、毎回スケジュールを決める必要がなくなると同時に、定期的な通話が習慣になっていくからです。その時間帯に予定が入っている場合は、今週はなしにして次週二回やろう!というように予定を変更しました。回数を重ねていくうちに、英語で自分の言いたいことが比較的スラスラ言えるようになり、自分のスピーキング力に徐々に自信がつきました。
トピックは特に決めませんでしたが、授業でわからなかったことについてお互い質問しあったり、お互いの国の文化やニュースをシェアすることが多かったです。そういったコミュニケーションの中で、海外から見た日本やニュースの捉え方の違いなど普段なかなか気づけない点を知ることができ、語学以外の学びも多くありました。語学力を向上したいという方にはもちろんですが、自分の視野を広げたいという方にも参加を強くお勧めします!
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オンライン交流を通して
法務研究科 大槻 栞佳
私が本プログラムに申し込んだ理由は、自己の価値観に大きな影響を与えた本プログラムに再度参加したいと思ったからです。私は、学部生の時にも本プログラムに参加させていただきました。初めて留学生と定期的にコミュニケーションを取る機会をいただけたことで、目の前で起こっていることについて課題を顕在化させ、現状を分析する力を養うことができました。また、身の周りのニュースについて、日本と海外における報道のされ方の違いを把握し、客観的に出来事を捉えることを意識するようになったのも、以前参加した際に得た収穫です。本プログラムは、オンラインかつパートナーと調整をして交流をする仕組みとなっているため、学部生の頃と比較して英語学習の時間を設けることが難しくなった今、大学院の勉強と両立しつつ、座学では学べない体験ができる点が魅力です。本プログラムに再度挑戦し、自己のスキルアップにつなげたいと思い参加を決意しました。
今回のプログラムでパートナーとなったのは、シンガポールの大学に通われているMichaelさんです。Michaelさんは経営学を専攻しており、学業の傍ら事業もされています。多趣味な方でもあり、作った料理や、ご自身によるハンドメイドのネイチャーアクアリウムをZoomで紹介してくれました。
交流は、主にZoomを通して週一回程度で行っていました。世間話からお互いの言語に関する質問など、様々な内容についてディスカッションをしました。 交流を通してMichaelさんのエネルギッシュな活躍に大変刺激を受けました。私自身、スキルアップのためインターンを始めようか悩んでいた際にも、 グローバルに活躍するため学業と両立しながら様々なことに挑戦するパートナーに背中を押されました。このようなお互いを高め合える存在に国を越えて出会えたことは、私の人生において大きな財産となりました。
また、異なるバックグラウンドの方とのコミュニケーション能力を身につけることができるのも、本プログラムの魅力の一つだと思います。Michaelさんとは、シンガポールで流行っていることや、現地の価値観について話すことが多かったです。Michaelさんとの会話は、自分の知らない世界へ連れ出してくれるものであり、会話を通して異なるバックグラウンドの方とのコミュニケーションにおける引き出しを見つけることができました。
このように、本プログラムは高い自由度をもって取り組むことができるうえ、交流を通して非日常的な体験をすることができます。皆さんも在学中にぜひ参加してみてください!
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