Intercultural Communication Center (ICC)早稲田大学 ICC(異文化交流センター)

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企画者レポート:世界の家庭と人に寄り添う異文化理解の姿勢とは 「KIRIN 世界のKitchenから」はじまるものづくり

ICC オンライン・トーク・セッション (2020年11月16日)

S.Y., ICC学生スタッフリーダー
国際教養学部

 はじめに 

 キリンビバレッジ株式会社のブランド「世界のキッチンから」の商品として大ヒットしたソルティライチは誰もが店頭で目にしたことがあるのではないかと思います。私自身、2011年に販売が開始されてから大ファンでした。中学生の頃、部活に励んでいた日々、暑い夏の水分補給のお供としても欠かせませんでした。それ以降もビタミーナや濃厚コーンポタージュなど他の商品を手にする機会が多々ありました。定番の午後の紅茶やキリンレモンなどといった人気商品とは一味違い、「自家製」であることが感じられるパッケージデザイン、そして、飲料のフレーバーに惹かれました。 

 「世界のキッチンから」と再会したのは、昨年たまたま神楽坂で立ち寄った本屋さんでした。「世界のキッチンから 商品と写真の関係」と題した分厚い写真集のような1冊を手にしたことをきっかけに、ブランド商品の原点は旅からはじまるものづくりにあると知りました。 

世界家庭」へ目を向けた異文化理解の姿勢 

 これまでに20カ国、100を超える世界の家庭を訪れ、各地で得たインスピレショーンをもとにおよそ30の商品が開発されています。真の美味しさを追求するための商品開発のヒントは「世界中の家庭の台所」にあるという視点から、取材旅を第一ステップとしたブランド「世界のキッチンから」が立ち上げられたそうです。これまでブランドチームの方々が訪れた旅先で撮影した何枚もの写真に目を通すうちに、ふと気づいたのは、カメラが注目していたのは「食」だけではなく、現地の家庭の様子や家族のあり方であるということでした。製造飲料の商品開発の過程において、世界中の人や家族の思いが根底にあるということにとても魅力を感じました。こうして、日本では触れることのない海外の食やライフスタイルの文化に目を向けたものづくりの過程は、異文化を尊重する姿勢そのものであり、異文化理解を促すICCの活動の一環として、ブランドについて理解を深める機会を多くの人に提供したいと思い、当企画に至りました。 

講演を聞いて改めて感じたこと:「こだわる」ことの大切さ 

 今回の講演会では、ブランドの立ち上げに携われたキリンビバレッジの菅谷 恵子様、そして、取材旅のコーディネートをされ、実際に現地同行されたTNC株式会社小祝 誉士夫様にお越しいただき、お話を伺いました。大企業の商品開発の裏話を聴ける機会は滅多にないことなので、当日は企画者として多少緊張しながらも、断然ワクワク感の方が強かったです! 

 お話を聞いていて一番印象的だったフレーズが1つあります。「世界のキッチンから」のブランドコンセプトの根底とも言える「顔が見えるものづくり」という言葉でした。実際に世界の家庭に足を運び、自分の目で見て感じることにこだわることこそが、真に相手や異国の文化を理解し、学ぼうとする姿勢として尊重すべきだと強く感じました。講演中は旅先での具体的なエピソードについてもお話いただき、現地で出会った人との交流、そして「一期一会の体験」について詳しく語っていただきました。インターネットの普及やデジタル化により、どうしても利便性や効率性を重視しがちな世の中ですが、こうして人と直接出会うことや肌感覚で何かを体験することに一手間かけることを忘れがちであることに気づかされました。 

最後に 

 これまでICCの学生スタッフとしていくつかのイベントを企画させていただく機会がありましたが、異文化理解を「企業」や「ブランド」といった1つの組織の目線から注目しようと試みたことは一度もありませんでした。ビジネスの世界ではどうしても売上など数字を蔑ろにできないのが現実だと思い込んでいましたが、今回の企画を通して大企業のブランドへの理解を深めた結果、単なる思い込みにすぎないと気づかされました。講演中にもお話いただいた通り、企業にとっての「経済的価値」と消費者が求める「社会的価値」を融合させることで創り上げる1つの「共通価値」の可能性は偉大です。 

 また、「世界のキッチンから」の商品を手にし、商品がどこの国のどのような文化にインスパイアされて開発されたのかを知るだけでも、異文化理解への道を一歩前進したことになるのではないでしょうか。こうして、日常における異文化理解のしかけ作りをすることは、一人一人の意識を変えていくにあたり大切なのだと、改めて感じました。 

 お忙しい中協力いただいたゲストのお二人に感謝の気持ちでいっぱいです。そして、参加いただいた学生の皆さんもお時間いただき、ありがとうございました!お店で手にする商品そのものだけでは感じ取ることのできない「世界のキッチンから」の魅力を奥深く感じ取ることのできる機会となったならば、企画者としても嬉しい限りです。 

 今後もICCでは異文化理解や多様性といったテーマに焦点をあて、あらゆる角度から追求していきます。これからの活動にもご期待ください! 

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