Intercultural Communication Center (ICC)早稲田大学 ICC(異文化交流センター)

News

ニュース

ICC学生スタッフレポート:ノーボーダーキャンプ ~属性を取っ払った先に見える風景~

Y.N. (H)(学生スタッフリーダー)

こんにちは、ICC学生スタッフのY.N.です。私は今年の2月16日~18日に開催されたノーボーダーキャンプではHACHIというニックネームで、スタッフとして運営に携わりました。キャンプ中に仲良くしてくれた方、このブログまで読んでくれてありがとう!(笑)

ノーボーダーキャンプは、自分で考えたニックネームのみを使って、国籍・年齢・学部などの自分の基本的な「属性」を隠し、2泊3日で、スキー&スノーボードをしながら交流するという、ICCで最も人気のあるイベントです。私は過去に参加者として2回参加したことがあったので、今年でもう3回目です!

このレポートでは、このキャンプの魅力を中心に、少し独特なルールによってもたらされる新たな視点についても書いてみたいと思います。このレポートを読んで「来年のノーボーダーキャンプ、参加してみようかな!」と少しでも思っていただけたらとても嬉しいです!(先に宣伝してしまいますが、このキャンプ、ICCが諸費用の半額を負担するため、とってもお得です!)

まず、このキャンプ、その名の通りスキーとスノーボードで雪山を滑りまくることができます。しかもスキー&スノーボードの達人であるインストラクターの指導付きです。超ベテランなので、指導はとてもわかりやすく、初心者ならば最初から安全で正しいフォームを習得することができますし、我流で経験を積んできた中級者ならば、自分の癖を直し、さらに速く、よりかっこいいフォームに磨きをかけることができます。それぞれの日程の最後には自由時間が設けられているので、午前中にたっぷり練習した後に、午後は仲良くなったグループの方たちと存分に滑ることもできます。

今年、私のグループの担当になったインストラクターの方は、なんと二年前に参加した時にお世話になった人で、なんと私のことを覚えていてくださいました!(感動)インストラクターの熱血指導のおかげで、私のスノーボードは我流でやっていたときよりも、かなり上達したと思います。ノーボーダーキャンプは基本的に毎年同じ場所、同じインストラクターの方々と協力して開催するため、参加を重ねるとこのような感動的な師弟関係(?)を育むことができちゃうのかもしれません。

 

もう一つのおすすめポイントはやはり、このキャンプの大きなテーマにもなっている「ノーボーダー」ルールです。

普段は、初めて人と出会い、仲良くなるまでに、多くの基本情報を自己紹介という形で交換し合いますよね。日本人学生同士ならば「どこの学部なの~?」「何年生ですか~?」相手が留学生ならば「どこの国からきたの~?」といった具合です。でもこのキャンプ中は、そういった類の自己紹介ができないので、必然的に普段とはまったく違ったアプローチをすることになります。

最初は少し話題に困ることもあるのですが、案外、自分のアイデンティティを開示しなくても、人と会話を楽しんで仲良くなることってできるものです。実際にキャンプ最終日には、参加者同士とても仲良くなり、多くの方が最後に友達になって帰っていきます。

とはいっても、アイデンティティって重要ですよね。確かに「自分は~である。」という意識は、プライドや自己理解に密接につながっていると思います。だからこそ、それをないがしろにされたりすると、嫌な気持にもなりますよね。

でもこのキャンプを終えてみると、そのアイデンティティは、自分の重要な根幹でありながらも、自分自身を包み、覆い隠す表層的な膜として機能してしまうこともあることに気が付くことができます。たとえば、最初に「私は中国人です。」として紹介されると、すぐに自分の頭の中にあるステレオタイプと結びつけて、その人の第一印象を歪めてしまうかもしれません。

まぁ、たとえ第一印象がゆがめられてしまったとしても、のちに交流を重ねていくにつれて、その歪みは修正され最終的に仲良くなれるとは思うのですが、最初からその膜を通さずにその人をその人たらしめる核の部分に、ダイレクトにファーストコンタクトをとることができるとしたら、どうでしょうか?きっと新鮮な体験になると思います。

ノーボーダールールの下、たくさんの人と密な時間を過ごすことで、人間関係を支える生命線になるものは、必ずしもアイデンティティで構成されるものではないということを、理論ではなく、体験として学ぶことができます。

なぜなら、私たちが初対面同士の関係から、少しだけ勇気を出して話しかけ、お互いにつながるきっかけって、「私は~である」という意識というよりも、その膜の下にある、

「自分はこんなことが好き」

「先週、こんなことがあって、すごく楽しかった!」とか

時には、

「私、最近見たあのNETFLIXシリーズにすごくハマってるんだよね~」

というような、もっとカジュアルで普遍的な感情であることが多く、その感情って探そうと思えば、そこら中にあるからです。だれだって自分の好きなものを話すときには饒舌になりますし、相手と共通の趣味をみつけられたら嬉しいですし、一気に仲良くなれるような気がしますよね。

自分が生まれる国を自分で選ぶことはできません。しかし、まったく違うアイデンティティを持つ人とでも、お互いに暖かい感情や普遍的なつながりを探求し、大切にしさえすれば、会話に花を咲かせ、友達になることができる。少し大げさかもしれませんが、私は、このような自分のアイデンティティを超えて人と仲良くなれる体験をすることは、自分の将来に、なにか明るい希望のようなものを持たせてくれると思っています。それはおそらく、これから自分の人生の中で築くことになる人間関係の広がりを実感できるからではないでしょうか。

このような体験を積んできた一方で、昨今はコロナウイルスの影響で、再び世界が分断されてしまっているように感じます。例えばアメリカの中でも特に感染者が増えているニューヨークで、アジア出身の外国人へのヘイトクライムが散見されていますし、アメリカのある有名大学の公式インスタグラムには、コロナウイルスから生まれるアジア人への嫌悪感は「普通の反応である。」という人種差別を容認するような投稿がなされ話題となりました。(現在は、当該大学が謝罪を表明の上、投稿を取り下げています。))

本当に戦うべき相手はウイルスなのに、「不安でよくわからない状況」に対する主観からくる対処の違いによって、人種間で対立がおきていることはとても悲しく思います。

誰でも、理不尽に攻撃されたら嫌な気持ちになるし、親切に助けてもらえたら「ありがとう」を伝えたくなります。これだけは、どんなに母国が離れていても、どんなに言葉が通じなくても、程度の差こそあるかもしれませんが、誰にとっても普遍的な事実のはずです。今の状況に対して絶対的な正解はないのでしょうが、このことを忘れなければ、必ずしも世界がすぐに良くなるわけではありませんが、悪い方向に進んでしまう前にブレーキをかけることくらいはできるのかなと思います。

時期が時期だけに、いつのまにか少し重たい内容になってしまいましたが、このキャンプは、スキーやスノーボードを思う存分楽しむことができるだけではなく、お互いの普遍的な感情を大切にし合うことで生まれる楽しさや可能性を、身をもって体験できる充実したプログラムになっています。あなたがキャンプ中に得るであろう新たな発見は、今のような緊急事態ではなくても、必ずやどこかで役に立つはずです。

早稲田大学は、驚くほど多様性に満ち溢れており、その多様性が何よりも大切にされている大学です。私もICCで働く中で、この恵まれた環境を実感しない日はありません。この環境を卒業してしまう前に、ぜひ一回だけでもICCのイベントに参加して実感してほしいなと思います!いつもと違う環境に多少の不安を覚えることもあるかもしれませんが、キャンプ中は学生スタッフリーダー(SSL)や職員も全力で参加者同士の交流をサポートしますので、絶対に後悔はさせません。

それでは最後まで読んでいただき、ありがとうございました!これを読んでノーボーダーキャンプに少しでも興味が芽生えたら、とてもうれしいです!来年のノーボーダーキャンプでお会いできることをスタッフ一同、とても楽しみにしています

Page Top
WASEDA University

早稲田大学オフィシャルサイト(https://www.waseda.jp/inst/icc/)は、以下のWebブラウザでご覧いただくことを推奨いたします。

推奨環境以外でのご利用や、推奨環境であっても設定によっては、ご利用できない場合や正しく表示されない場合がございます。より快適にご利用いただくため、お使いのブラウザを最新版に更新してご覧ください。

このままご覧いただく方は、「このまま進む」ボタンをクリックし、次ページに進んでください。

このまま進む

対応ブラウザについて

閉じる