Intercultural Communication Center(ICC)早稲田大学 ICC(異文化交流センター)

その他

ICC企画者レポート:No Border Ski and Snowboarding Camp

学生スタッフリーダー
M.H. (Jasmine)

人と交流をする時、みなさんは何の話をして相手との会話を広げていますか?

恐らく最初に名前を聞いた後に学部や学年、年齢、出身地、外国人だったら出身国を聞くと思います。しかし、当たり前の様に最初に聞くこの基本情報は、私たちの中で相手をカテゴライズしているとも言えます。無意識のうちに相手の基本情報を知ることによって、接し方が変わったり、偏見を持ったりするかもしれません。そのような考え方を排除するために、本名、国籍、学部、学年及び年齢を言わない、つまり関係を「ノーボーダー(No Border)」にするために実施されるのが、二泊三日過ごすICCのノーボーダー・スキースノボキャンプです。私は今回このイベントにICCのスタッフ、つまりイベントのファシリテーターとして参加させていただきました。

●イベントの様子
普段初対面の人とする国籍、学部、年齢などを言えない状況でありながらも、イベント中参加者達はとてもにぎやかで活発でした。話の流れで個人情報を言ってしまいそうになるところをもがきながらも、どう上手く相手とコミュニケーションをとるかを試行錯誤しながら、頑張っている姿がとても印象的でした。これらの経験は参加者たちにとっても考えさせられることが多かったようで、振り返りタイムでは多くの意見が飛び交いました。基本情報を聞けない、言えない中、相手を知るためには参加者は相手の趣味を聞いたり、今回のイベントのアクティビティーの一環であったスキー・スノボの体験を聞いたり、本イベント用に作ったニックネームの由来などを聞くことによって、相手の性格や人格を知ることができ、仲良くなりやすかったという意見が出ました。紹介できることに制限がある中、自分自身を相手に理解してもらうためには、何を伝えれば理解してもらえるのかを一生懸命考えたという声もありました。日本人の参加者から多く出た意見では、年齢を教えていないので、敬語を使用しなくていいという意見もありました。たくさんの意見が上がる中、私は自分の国籍や文化を紹介しないからこそ、何かしらのコミュニティーにカテゴライズされず、一人の「人」として見られることが良いという意見、それと比較し、育ちの国や文化こそが自分のアイデンティティーを形成するものであり、それを言えない辛さを主張する意見が印象的でした。基本情報を言わないルールをこのキャンプで設けている理由は間違いなく前者の通りで、コミュニティーや年齢による偏見をなくして人と接する大切さを理解することです。しかし海外と日本の二か国で育ち、それが自分の大事なアイデンティティーの一つと感じる私は後者の意見に、とても納得するところがありました。もちろん日常生活内では紹介する情報の制限はないため、基本情報を先に言おうが趣味を先に言おうが関係ありませんが、いずれの形でも人との良好な関係を築けるということを、キャンプ中に多くの人が気づき、新しいコミュニケーションの方法を追及するようになったのではないかと思います。

●スタッフとしての考え
スタッフとして裏方仕事をしたり、司会をするために三日間分の司会用のメモを全部覚えたりすることは全く困難なことではありませんでしたが、参加者以上にしっかりノーボーダールールを理解しなくてはならないことが一番大変でした。いくらノーボーダールールの重要性をしっかり把握し、理解しているスタッフの私でも、結局は参加者と同じで、人の国籍や年齢も気になりますし、その様な話題を含まずに会話をする徹底トレーニングを受けているわけでもありません。そのため、参加者同士のディスカッションでは、話が逸れていないかの確認や、発表してくれた意見に対してコメントするなど、中立的な立場にいながらも、ノーボーダーのコンセプトの私自身の理解度が試されることが多く、そこにとても難しさを感じました。イベントを通して参加者に習得してもらいたいスキルを頭の中で何度も反芻し、自分自身の考えをしっかり成り立たせながらも、相手の意見を聞くことを心がけていました。イベント運営で交流時間には制限があり、参加者と同じようにノーボーダールールに浸って交流をする時間は少ないことから、参加者の方が気づく点が多かったとは思いますが、参加者全ての意見や考えを中立的な立場として受け入れ、スタッフとしてのプロ意識をしっかり自覚しながら活動していたと、今振り返れば思います。

●イベントを通しての学び
私がこのキャンプで参加者及び、みなさんに考えてもらいたいことは以下3つです。一つ目は、人々の育ちや文化的背景などの基本情報は、その人自身のアイデンティティーにどれだけ重要なのかということ。当たり前のことですが、だからこそ周りの人はそのような基本情報をもとに勝手な偏見を押し付けたり、否定したりしてはいけないということを改めて考えてもらいたいです。二つ目は、背景が大事なアイデンティティーとはいえ、それが人を表す最大の特徴ではないこと。人の趣味や性格がわかるような質問を今回聞くことが多かったからこそ、普段より仲良くなるスピードが早かったという参加者の声がありましたが、このように、人と人が交流しやすいコミュニケーションの話題は基本情報じゃないところに隠されていることに気づいてもらいたいです。三つ目は、人や異文化の情報はエンドレスにあるということ。ノーボーダールールが解禁となった瞬間、基本情報を共有し、喜んで抱き合っている参加者も多くいました。3日間のキャンプの中で共通点を見つけたけど、ルール上当時確信できなかったことがやっとできたのでしょう。参加者同士で共有したからこそ、会話の話題はどんどん広がっていきました。3日間という短い時間だということもありますが、まだ共有していない互いの情報は恐らくたくさんありますし、私たちはその情報の背景も知りません。文化や価値観が違うことに対し、貪欲に情報や知識を吸収することよって、相手への理解も深まるのではないかと思います。

このイベントで感じることはたくさんあり、正直それをまとめ、整理するのはこのブログを書いた後でも、できているのかわかりません。しかし今回のイベントで初めてスノボも体験し、全身筋肉痛にはなったものの、とても楽しい思い出となりましたし、イベントに携われたことをとても光栄に思います。参加してくださった皆さん、一緒に運営したICCスタッフのみなさん、ありがとうございました。

キャプション:担当したTeam Pinkの集合写真

Dates
  • 0217

    SUN
    2019

    0219

    TUE
    2019

Place

長野県上田市【菅平高原】

Tags
Posted

Thu, 18 Apr 2019

Page Top
WASEDA University

早稲田大学オフィシャルサイト(https://www.waseda.jp/inst/icc/)は、以下のWebブラウザでご覧いただくことを推奨いたします。

推奨環境以外でのご利用や、推奨環境であっても設定によっては、ご利用できない場合や正しく表示されない場合がございます。より快適にご利用いただくため、お使いのブラウザを最新版に更新してご覧ください。

このままご覧いただく方は、「このまま進む」ボタンをクリックし、次ページに進んでください。

このまま進む

対応ブラウザについて

閉じる