子どもの最善の利益を保障する新しい社会的養育システムの実現に必要なエビデンスとそれに基づく実践展開、施策策定への支援体制の構築
分野:社会
子どもの最善の利益を保障する新しい社会的養育システムの実現に必要なエビデンスとそれに基づく実践展開、施策策定への支援体制の構築
分野:社会
家庭養育移行の世界的潮流のなか、日本でも2016年改正児童福祉法、2017年新しい社会的養育ビジョン、2019年度中の家庭養育推進計画策定を経て2020年度より全国の自治体で実践展開が始まる。施設養護を中心に発展してきたわが国において今後10年間で家庭での養育を基盤とする新しい社会的養育体制を構築することは大きな挑戦であり、確実に成功を収めなければならない。新しい社会的養育体制は、家族分離の予防も含む家族再構築を第一とし親と社会が共に子どもの育ちを保障することを目指すものであり、すべての子どもと家族に直接・間接的な成果をもたらすものである。
新しい社会的養育ビジョンに示された代替養育の今後の展開(施設多機能化・高機能化やフォスタリング機関創設等)の検討にあたっては英国における家庭養育移行の方法や実践が参考にされている。その英国における家庭養育移行の契機となりその後の実践を支え続けてきたのが社会的養育に関する研究であり、研究成果が施策や実践に反映され研究・実践・施策の歯車がしっかりとかみ合い連動することで子どもの最善の利益保障が目指されてきた。研究、エビデンスを基盤とするこのような取り組みを進めるため大学に設置された研究所も重要な役割を担っている。国連等国際機関が示す家庭養育優先原則についても各国のこのような研究成果が根拠とされている。
日本の状況をみると、社会的養育における実践・施策を方向付ける研究やエビデンスは不足しており、その必要性は2016年改正法や新しい社会的養育ビジョンにも示されている。社会的養育研究所は大きな変革が必要とされるこの時期に、その必要に応じ子どもの最善の利益を保障するため大学研究機関として設置された。
当研究所はすべての子どもの状況を、最も厳しい状況に置かれ続けてきた社会的養護の子ども、またその周辺の子どもに焦点をあて改善することを使命とし、「実証的評価・研究」「研究成果をもとにした実践支援」「研究成果をもとにした施策策定への示唆、政策提言」を軸に以下に取り組む。
1.社会的養育に関するエビデンス・情報の整理・蓄積と提供
2.必要なプログラム・システム等の開発・導入
3.モデルプロジェクトの準備・実施・評価
4.関係者ネットワークの構築と人材育成
5.子ども当事者の意見聴取、研究所事業への助言
6.関係者・機関、社会全体に向けての発信・協働の呼びかけ
上鹿渡 和宏[かみかど かずひろ](人間科学学術院)
【研究所員】
岩崎 美奈子(人間科学学術院助教(新助教))
巖淵 守(人間科学学術院教授)
桂川 泰典(人間科学学術院准教授)
上鹿渡 和宏(人間科学学術院教授)
古山 周太郎(人間科学学術院准教授)
布山 美慕(人間科学学術院講師(任期付))
前橋 明(人間科学学術院教授)
松原 由美(人間科学学術院准教授)
中村 豪志(研究助手)
【客員研究員】
佐藤 まゆみ(客員上級研究員(研究院客員講師))
家子 直幸(客員次席研究員(研究院客員講師))
上村 宏樹(客員次席研究員(研究院客員講師))
西郷 民紗(客員次席研究員(研究院客員講師))
御園生 直美(客員次席研究員(研究院客員講師))
【招聘研究員】
長田 淳子(社会福祉法人二葉保育園二葉乳児院副院長)
引土 達雄(国立研究開発法人国立成育医療研究センターこころの診療部・心理療法士、文教大学健康栄養学部非常勤講師)
福井 充(福岡市こども家庭課こども福祉係長)
藤林 武史(西日本こども研修センターあかし)
山岡 祐衣(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科国際健康推進医学分野プロジェクト助教)
山口 敬子(京都府立大学公共政策学部准教授)
和仁 里香(あかしこども財団西日本こども研修センターあかし研修企画専門員)
※2021年11月8日更新
E-mail:[email protected]