ネット社会におけるジャーナリズムとメディアのモデル構築研究（NPO調査報道組織▽ファクトチェック・システム
▽データ・ジャーナリズム▽オープン・ジャーナリズム▽メディア・アーカイブ▽メディア・リテラシー教育など）
分野：社会システム、文化
次世代ジャーナリズム・メディア研究所
Institute for the Next Generation of Journalism and Media
研究テーマ
研究概要
ジャーナリズムの役割は、市民の「知る権利」に応え、民主主義の維持に貢献することだといわれる。しかし、ネット社会を迎えて情報が多様化する中、従来のマス・メディアに対する市民の信頼感は低下している。一方でフェイクニュースや真偽不明の情報がインターネット上で拡散し、市民の健全な判断を惑わしかねない事態となっている。ネット社会において新しいジャーナリズムとメディア（ジャーナリズム活動がおこなわれる媒体）のあり方が模索されている。
本プロジェクト研究では、ネット社会におけるジャーナリズムやメディアについて、実効性のあるモデル構築の研究に取り組む。その際にジャーナリズムのあり方として市民の「信頼性」を重視する。信頼性を得るためのジャーナリズムの要件としては「科学性（evidence based）」「記録性」「公開性」「双方向性」などが考えられる。
信頼されるジャーナリズムの試みとしては、ファクトチェック、調査報道、NPO報道組織、データ・ジャーナリズム、オープン・ジャーナリズム、ソリューション・ジャーナリズム、メディア・アーカイブなどがある。このうち、調査報道、NPO報道組織、データ・ジャーナリズム、オープン・ジャーナリズム、ソリューション・ジャーナリズムなどは、「新しいジャーナリズム（次世代ジャーナリズム）の形」と位置づけて研究を進める予定である。研究部会としては「ファクトチェック」「次世代ジャーナリズム」「メディア・アーカイブ」を設置し、先述の信頼性の視点などから理論・実践両面で研究を進め、それぞれ、実効性あるモデル構築の研究に取り組む。また、ファクトチェックが目標とする偽情報・誤情報対応策としては市民に対するメディア・リテラシー教育も重視されている。本研究所では「メディア・リテラシー」も研究対象として、メディア・リテラシーの研究部会を設置する。
各研究所員がそれぞれの専門に近い分野の研究に取り組み、定期的な研究会の開催により互いの意見交換を進め、各分野のモデル研究の統合化を図っていく。
（なお、研究部会の名称は、研究の進展によって変更する場合もありうる）
所長
瀬川 至朗[せがわ しろう]（政治経済学術院）
メンバー
【研究所員】
瀬川 至朗（政治経済学術院教授）
高橋 恭子（政治経済学術院教授）
田中 幹人（政治経済学術院教授）
土屋 礼子（政治経済学術院教授）
中村 理（政治経済学術院准教授）
野中 章弘（教育・総合科学学術院教授）
【招聘研究員】
青木 紀美子（NHK放送文化研究所メディア研究部研究主幹）
石川 徹也（中日・東京新聞記者）
大矢 英代（ジャーナリスト、琉球新報米国通信員、カリフォルニア大学バークレー校日本学研究所客員研究員）
奥山 俊宏（朝日新聞社編集委員）
鍛冶本 正人（香港大学ジャーナリズム・メディア研究所准教授）
日下部 聡（毎日新聞社統合デジタル取材センター副部長）
島袋 夏子（琉球朝日放送株式会社報道制作部記者）
臺 宏士（フリーランス・ライター、大正大学非常勤講師）
高橋 弘司（横浜国立大学大学院都市イノベーション研究院准教授）
田島 知之（フェリス女学院大学文学部非常勤講師／FCTメディア・リテラシー研究所理事）
田中 裕（西武文理大学非常勤講師）
千葉 偉才也（一般社団法人リテラシー・ラボ代表理事）
永井 健太郎（明治大学情報コミュニケーション学部助教）
中澤 雄大（ジャーナリスト、大正大学非常勤講師）
西村 寿子（関西大学非常勤講師）
野呂 法夫（東京新聞編集局読者部長）
樋口 喜昭（早稲田大学非常勤講師、株式会社タルタルビジョン）
松原 文枝（テレビ朝日総合ビジネス局イベント戦略担当部長）
楊井 人文（NPO法人ファクトチェック・イニシアティブ理事兼事務局長）
吉岡 忍（ノンフィクション作家、日本ペンクラブ会長）
吉田 美智子（朝日新聞社企画報道チーム）
※2021年11月4日更新
