Comprehensive Research Organization早稲田大学 総合研究機構

その他

マーケティング・コミュニケーション研究所
Institute of Marketing Communication

研究テーマ

ビジネスの諸問題に対してマーケティングの視点から考察を試み、社会的な価値の創出と普及を促進させる

分野:社会システム

研究概要

本研究所では2011年度より、一般社団法人日本ガス協会や大手ガス事業者とともに、日本における天然ガス自動車の普及拡大に対して積極的に取り組んできている。その姿勢は2013年度も続いており、新規のプロジェクトが進行中である。
これまで、ゲストを招いた定期的な研究会の開催に加えて、アメリカと東南アジアへの海外視察を行ってきた。そうした活動の外部発信の機会として、2013年4月に書籍の発刊、6月にはシンポジウムの開催等に取り組んでいる。2013年度以降の研究では更なる成果を求めて、新たなゲストを招いた研究会の実施、ロシアやフランスへの海外視察の実施、定量調査の実施、そしてシンポジウムの開催を計画している。こうした取り組みは一貫して、社会的価値を訴求するマーケティングの視点から携わっていく。
また天然ガスに関する別のプロジェクトとして、天然ガス空調の普及拡大についてのプロジェクトも進行中である。天然ガス空調を利用することによる、電力のピークカット効果という社会的価値に注目して、空調設備の購買行動について研究を進める。自動車と同様に、研究会の開催、工場や利用施設への視察、定量調査の実施、シンポジウムの開催、書籍の発刊等を計画している。

研究報告

【2020年度】
2020年度は、2つの研究プロジェクトを実施した。
一つ目の研究プロジェクトは、「DMと他のデジタルメディアにおける消費者行動比較調査」(日本郵便株式会社からの受託)である。ここでは、購買における消費者の決定回避傾向に対する媒体(紙媒体/デジタル媒体)の影響に注目した。仮説検証にあたっては、EC事業などを手掛けている企業の会員を対象に、商品掲載数の異なるカタログ(2種類)×媒体(2種類)を送付し、消費者のウェブサイト・アクセス率や購買率などの反応を測定するとともに、アンケートによって心理的な側面についても分析をした。この研究結果の一部は、『宣伝会議サミット2020』において報告を行っている。
二つ目としては、「音楽が消費者の購買行動に及ぼす影響(株式会社USENからの受託)」に関する研究プロジェクトである。音楽と消費者の購買行動というテーマで、定期的に研究会を開催し、複数の研究課題を抽出した。その一つとして、閉店を知らせる店内音楽が消費者の帰宅意向に及ぼす影響に注目し、どのような音楽要素が消費者の帰宅意向をポジティブに高められるかについて明らかにすべく、音楽の制作や協力企業との調整を進めている。他にも、店舗内のアナウンスの「声」の要素(アナウンサーの性別、話すスピード、抑揚、声質など)が、消費者の製品評価にどのような影響を及ぼすのかについて実証研究を進めている。

【2019年度】
2019年度は、「DMと他のデジタルメディアにおける消費者行動比較調査」(日本郵便株式会社からの受託、2017年度より継続)に関する研究テーマに取り組んだ。ダイレクト・メールの媒体(紙媒体/電子媒体)によるプロモーションに対して、消費者の評価や行動が変化するメカニズムの解明を試み、鉄道会社の協力のもと、同社の会員を対象に実証実験を実施した。
また、「職務空間における音楽が従業員のコミュニケーションに及ぼす影響(株式会社USENからの受託)」という研究テーマにも注目しており、職場に音楽を流すことで、上司と部下といった垂直的な関係におけるコミュニケーションへの満足度が高まることが示された(2019年12月日本商業学会全国報告会にて報告)。このメカニズムを解明するにあたり、解釈レベル理論に注目し、実験室実験を通してその妥当性を検討している。
なお2019年度には、幅広い分野で活躍している研究者および実務家を招聘研究員として受け入れた。このことにより、アカデミックな知見のみならず、第一線で活躍している実務家も交えて、マーケティングの諸課題に関する議論がより活発に行える研究環境を整備した。

【2018年度】
2017年度より日本郵便株式会社と共同研究を進めているが、本年度も引き続き紙によるダイレクトメールとeメールによるダイレクトメールの消費者行動比較調査に取り組んだ。媒体を変えることで消費者はどのように心が動き行動が喚起されるのか、コミュニケーション伝達手法による比較調査を行い、コミュニケーション最適解の導出を試みている。主な成果としては、企業のキャンペーンをDMとeメールで行い、各媒体で受け取った消費者の行動を分析、比較検証を行うなどの調査を実施し、研究成果の一部を学会やシンポジウムを通して発表した。
また、2018年度からスタートした産学共同研究の一つに、株式会社USENとのプロジェクトがある。働き方改革に光を当て、オフィス内で音楽を流すことによる従業員のコミュニケーションの活性化と仕事への満足度や生産性への影響について検証を試みている。数回の研究会を重ね、実証研究の一環として企業の実際のオフィス(2か所)で音楽を流す実験を実施し、そこで働く人々へのアンケート調査を行っている。研究成果の一部については、学会などで発表を行った。

【2017年度】
本研究所では2011年度より、一般社団法人日本ガス協会と大手ガス会社5社とともに、日本における天然ガス自動車の普及拡大に対して積極的に取り組んできた。2017年度の主な活動としては、6回にわたって天然ガス自動車普及戦略研究会を開催し、さらにゲストを招いてディスカッションを行った。また、海外視察も行うなどして、様々な過程において今後の課題抽出に努めた。そして、近年のエネルギー事情の急激な変化に際し、消費者の車種選定に深く関わる方を対象にインターネット調査を実施した。その上で、2011年の消費者意識と今日の消費者意識の違いを確認した。
2017年度より、日本郵便株式会社とともに紙のダイレクトメールとeメールによるダイレクトメールの消費者行動比較調査に取り組んでいる。媒体を変えることで消費者はどのように心が動き行動が喚起されるのか、コミュニケーション伝達手法による比較調査を行い、企業とのコミュニケーション最適解を見出すことを目的としている。主な活動としては、企業のキャンペーンをDMとeメールで行い、各媒体で受け取った消費者の行動を分析、比較検証を行うなどの調査を実施している。

【2016年度】
本研究所では2011年度より、一般社団法人日本ガス協会や大手ガス事業者とともに、日本における天然ガス自動車の普及拡大に対して積極的に取り組んでいる。6年目を迎える2016年度もプロジェクトは継続している。2016年の主な活動としては、6回にわたって天然ガス自動車普及戦略研究会を開催し、さらにゲストを招いてディスカッションを行った。その過程において今後の課題抽出に努めた。また、今までのヒアリング調査やディスカッションを含む定性調査の蓄積をもとに、運送事業者で車種選定に深く関わる方を対象にアンケート調査を実施した。
2015年より開始された研究プロジェクトの1つに、株式会社エーエヌディとの医療マーケティング・プロジェクトがある。医療業界における取引活動に光を当て、効果的な製品デザイン開発と流通プロセスのメカニズム解明を目的としている。2016年度に関しては、わが国で先進的な取り組みを行っている医療機関ならびに企業に対して複数回の取材を実施している。同時に、医療現場におけるコンタミネーション(汚染)について明らかにするため、複数回のインターネット調査を実施している。

【2015年度】
 本研究所では2011年度より、一般社団法人日本ガス協会や大手ガス事業者とともに、日本における天然ガス自動車の普及拡大に対して積極的に取り組んでいる。2015年度も継続してプロジェクトが進行中である。2015年度は、普及の鍵を握る運送業者および荷主らをゲストスピーカーとして招き、グループディスカッション形式で天然ガス自動車が抱える課題抽出に努めた。また、新しい公共交通システムとして注目される連節バスに焦点を当て、新潟県や千葉県で現地調査も実施した。現在、全国のトラック輸送産業を対象とした定量調査の実施を計画している。
 2013年度より天然ガス空調の普及拡大戦略に関するプロジェクトが開始され、2015年度も継続しておこなわれた。天然ガス空調を利用することによる、既存顧客の声を潜在顧客獲得に活かすという視点で、空調設備の購買行動について研究を進めた。具体的には、ガス空調のユーザーである企業3社を訪問し、省エネ・省コストの視点から取材をおこない記事としてまとめた。尚、記事は小売業専門誌にて発表されている。さらに、これらの記事を読んだ潜在顧客の意識にどのような変化をもたらすかという観点で定量調査を進めている。
 2015年にスタートした研究プロジェクトに、株式会社エーエヌディとの医療マーケティング・プロジェクトがある。医療業界における取引活動に光を当て、効果的な製品デザインと流通プロセスの解明に取り組んでいる。

【2013年度】
2013年度におけるマーケティング・コミュニケーション研究所の活動は、前年度から継続した大手ガス事業者5社との産学連携と、東京ガス株式会社、大阪ガス株式会社、東邦ガス株式会社との新規の産学連携に基づき、研究を進めました。
研究成果としては、2011年度より取り組み続けている大手ガス事業者との研究成果の一部を書籍として発表しています(『エネルギー問題のマーケティング的解決』、2013年4月1日発行、朝日新聞出版)。さらに、2013年6月17日には本研究所が主催となって「天然ガス自動車普及戦略シンポジウム」を開催し、外部に向けた発信を精力的に行っています。また、2012年度に実施した株式会社DNPメディアクリエイトとの調査結果について新たな分析を行い、2013年4月の日本商業学会関東部会にて研究成果を報告しています(「購買時における情報探索行動がブランド選択に及ぼす影響」)。

所長

恩藏 直人[おんぞう なおと](商学学術院)

メンバー

【研究所員】
恩藏 直人(商学学術院教授)
嶋村 和恵(商学学術院教授)
武井 寿(商学学術院教授)
守口 剛(商学学術院教授)

【招聘研究員】
石井 裕明(青山学院大学経営学部准教授)
石田 大典(日本大学商学部准教授)
岩下 仁(合資会社岡田屋履物店副社長)
大平 進(千葉商科大学商経学部専任講師)
小川 亮(株式会社プラグ)
渋谷 義行
陳内 裕樹(観光庁アドバイザリーボードメンバー)
鈴木 睦夫(株式会社オムニコミュニケーションコンサルティング President & CEO)
外川 拓(上智大学経済学部准教授)
原 武治(早稲田大学非常勤講師)
平木 いくみ(東京国際大学商学部准教授)
松本 隆(株式会社そごう・西武元代表取締役社長)
山岡 隆志(名城大学経営学部教授)
山本 昇(株式会社リストワールインターナショナル代表取締役会長)

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