ピナ・バウシュはオペラをいかに読み替えたか──『オルフェオ』から『青ひげ』へ:近藤つぐみ
発表要旨
ドイツのタンツテアターの振付家として知られるピナ・バウシュ(Pina Bausch, 1940-2009)の活動初期は、オペラと深く結びついている。1975年に「ダンス・オペラ(Tanzoper)」として発表したグルックのオペラ『オルフェオとエウリディーチェ』の舞踊化では、歌手とダンサーの役割を分離し、音楽を忠実に再現すると同時にそこに込められた神話的感情の世界を身体によって立ち上げている。他方、2年後の1977年発表の『青ひげ—ベラ・バルトークのオペラ「青ひげ公の城」の録音テープを聴きながら—』は、録音音源の反復やコラージュ的構成によってオペラを解体するとともに、オペラの背後に横たわる「青ひげ」伝承の文化史をも身体化し、彼女のタンツテアター的手法の萌芽を示す作品となった。
本発表では、近年もドイツやフランスで上演されているこれら二作品を比較し、バウシュのオペラ作品との向き合い方がわずか2年間でいかに変容したのかを検討する。振付分析に加えて、1970年代西ドイツの文化的背景とメモリー・スタディーズの議論を参照することで、バウシュにおけるオペラとダンスの融合が、歌唱される悲劇の身体化からオペラという媒体を通じた文化批評へと移行した過程を明らかにしたい。
開催概要
- 日 時:2026年10月10日(土)16:30-18:00
- 場 所:早稲田大学西早稲田キャンパス52号館503教室 およびZoom配信
- 発表者:近藤つぐみ(早稲田大学)
- 司会者:岡本佳子(神戸大学)
- 言 語:日本語
- 主 催:早稲田大学総合研究機構 オペラ/音楽劇研究所
発表者プロフィール

早稲田大学演劇博物館助教。舞踊研究者。2020~2023年度まで舞台芸術アーカイブ+デジタルシアター化支援事業EPAD事務局に携わる。
2024年度より早稲田大学演劇博物館に勤務。同館の2025年度春季企画展「演劇は戦争体験を語り得るのか——戦後80年の日本の演劇から——」企画・構成を務め、同題の編著書を2025年に早稲田大学出版部より上梓。2025年に早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。
参加申込み方法
Zoom参加には事前登録が必要です。参加希望者はできるだけ前日の10月9日(金)までに以下のURLから事前登録をしてください。
URL:https://list-waseda-jp.zoom.us/meeting/register/0i9Kxs0CQlyFVp9rhMt_Ew
※Zoom自動登録制です。主催者側からはズーム招待状をお送りしません。(なお飛び入り参加も可能です。)
※ご出席の際フルネームの表示をお願いします。発言時以外はミュートおよびビデオ・オフにしてください。スクリーンショット撮影、録音、録画等は厳にお控え願います。また司会者の指示にしたがってください。
問合せ先
早稲田大学総合研究機構オペラ/音楽劇研究所:https://prj-opera-mt.w.waseda.jp/
e-mail address: operaken-uketsuke[at]list.waseda.jp ([at] = @)
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