開催報告:2024年度5月研究例会(第219回オペラ研究会)
- 日時:2024年5月11日(土)16:30 – 18:00
- 開催方式:オンライン開催(Zoom使用)
- 発表者:山田 小夜歌
- 所属:京都精華大学国際文化学部
- 題名:『19-20世紀転換期のバレエで描かれた日本―英国の事例を中心に』
- 発表言語:日本語
概要:
1870年代から1900年代初頭にかけて欧米では日本を題材にした舞台作品が数多く製作され、バレエの事例としてはフランス(パリ・オペラ座)で上演された《イェッダ》(1879)や《夢》(1890)などがよく知られている。英国では大きな話題をさらったサリヴァンのオペレッタ《ミカド》(1885)の初演に先行して、1870年代後半にはすでに日本を題材としたバレエが上演されており、以降、1900年代まで日本をあつかったバレエ作品やダンスが頻繁に舞台に登場することとなる。
本発表では、英国ロンドンで製作された作品を中心にとりあげ、言葉を用いないバレエの舞台において「日本」がどのように表象され、当時の観客に受容されたのかについて検討する。また、日本や日本人とのかかわりが活発化していく過程と並行して、演劇や音楽劇における日本描写のありようも変化をみせていったなかで、バレエの舞台ではそうした変容をいかに反映させていた/いなかったのかについても言及する。
発表者プロフィール:
昭和音楽大学卒業。お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科表象芸術論領域単位取得退学。博士(学術)。現在、京都精華大学国際文化学部講師。専門は舞踊学、劇場文化史。とくに日本および欧米のバレエ史とその比較研究。主著に「大正期日本におけるG.V.ローシーの活動と背景 :世紀転換期西欧のバレエ文化とその移入」(博士論文、2019)、「バレエとメディア ―英国ミュージックホールにおける「英仏協商」」(『早稲田オペラ/音楽劇研究』第3号、2022)などがある。
司会者 : 小川佐和子
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