▼2023年度11月研究例会(第214回オペラ研究会)
- 日時: 2023年11月11日(土)16:30 – 18:00
- 開催方式:オンライン開催(Zoom使用)
- 発表者:舘 亜里沙
- 所属:東京藝術大学
- 題名:『ジャン=ピエール・ポネル演出《カルミナ・ブラーナ》(1975)のアレゴリー』
- 発表言語:日本語
- 概要: ジャン=ピエール・ポネル Jean-Pierre Ponnelle (1932-88) は、20世紀後半を代表するオペラ演出家であると共に、数々のオペラおよび声楽作品を映画化したことでも知られる。その中でも1975年制作のC. オルフ《カルミナ・ブラーナ》は、彼の創造性が発揮された作品であるが、研究対象とされる機会はまだ少ない。 本発表ではポネル演出《カルミナ・ブラーナ》を、とりわけそのアレゴリカルな手法に注目して分析・考察する。同作品では善と悪、男性と女性、仮象と現実の闘いが視覚的に描かれている [Reynolds:1995] のみならず、絵画作品をオマージュしたカットの挿入等によって、テクストと音楽により深い意味が与えられている。こうした手法はポネルの作品への深い洞察であると同時に、同時代に注目されたオペラ演出との関連もうかがえる。同作品の位置づけを敢えてオペラ上演史上で見出すことで、ポネルの演出上の手法を、彼自身の独創的な視点と同時代のオペラ演出の傾向の両側面から考察する。
- 発表者プロフィール: 東京藝術大学音楽学部楽理科卒業。同大学大学院にて音楽学博士号取得。オペラ研究者として、2018年テルアビブ大学にて国際学会に登壇した他、『オペラ/音楽劇研究の現在:創造と伝播のダイナミズム』(水声社, 2021)等に寄稿。現在、東京藝術大学・弘前大学・常葉大学短大部等で非常勤講師等を務める。 また舞台演出家として多数のオペラ・演劇・音楽朗読劇・ミュージカル等に取り組み、近年は脚本執筆にも力を入れる。 https://arisa-tachi-411.jimdofree.com
- 司会者 : 佐藤 英
コメント: 20 名の参加者があった。