「市民とともにつくるエンゲージド・ジャーナリズム」第10回
概要
- 日 時:2023年11月18日(土) 午前10:00~11:30
- ゲストスピーカー:ローレンス・バートリー(Marshall Project『News Inside』創刊・『Inside Story』制作)
- 司 会:高橋恭子(早稲田大学政治経済学術院 教授)
- 参加費:無料
- 開 催:オンライン会議形式(Zoom)
お申込 (現在は終了しております。)
事前登録が必要になります。以下のURLにアクセスし、ご登録ください。ご登録頂くと、Zoom参加のご案内メールが届きます。
※日英の同時通訳がつきます。
※内容は収録し、ご登録頂いた方には事後一定期間、動画を視聴できるようにします。
<ゲストスピーカーのご紹介>
今回のゲストスピーカーは、アメリカで刑事司法制度に関わる問題を専門に調査報道を行っている非営利メディアMarshall Projectのプロジェクト『News Inside』の創始者、ローレンス・バートリーさんです。
バートリーさんは、情報過疎ともいえる状況に置かれている受刑者やその家族に、有用で信頼できる情報を届ける雑誌として『News Inside』を2019年に創刊し、全米各地の刑務所に配布するとともに、受刑者の声や現実を社会に伝えてきました。2023年には文字が苦手な受刑者にも配慮した動画番組のシリーズ『Inside Story』8本をVice Newsと共同制作して各地の刑務所で上映し、Vice News ChannelやYouTubeで配信しました。この『Inside Story』は秀でたオンライン・ジャーナリズムに贈られるONA(オンラインニュース協会)の賞のエンゲージメント部門で2023年、最終候補にも選ばれています。
今回の講座では、バートリーさんが自らの経験を起点に、刑務所の中の現実や課題を伝えることに取り組んできた実績を通し、当事者の声を反映した情報発信の意味や社会へのインパクトについて話を聞き、参加者との質疑応答、意見交換の機会とします。
<オンライン連続講座について>
報道への信頼低下や読者・視聴者離れ、多様性欠如の表面化など、伝統メディアは今さまざまな危機に直面しています。デジタル空間には真偽ないまぜの情報が氾濫し、偽情報の拡散、陰謀論の浸透などによって人々は何を信じれば良いのかわからない、あるいは根拠を欠いても自分が信じたいことを信じる、という事態も起きています。こうした状況を背景に、アメリカやヨーロッパでは、市民とつながり、信頼を育み、ともにニュースをかたちづくり、発信していこうというエンゲージド・ジャーナリズム(Engaged Journalism)の試みが広がっています。「市民のために」ではなく「市民とともに」、人々を「情報の受け手=オーディエンス」だけではない「情報発信の協力者=パートナー」と位置づける。双方向の対話のチャンネルを開き、その疑問や意見に謙虚に耳を傾けるところから始め、信頼できる情報を共有し、地域の課題解決にもつなげていこうという取り組みです。
早稲田大学次世代ジャーナリズム・メディア研究所とNHK放送文化研究所が共催するこのオンライン連続講座ではエンゲージド・ジャーナリズムの実践者や研究者を招き、多様なエンゲージメントの実践と実績、背景にある問題意識などについて同時通訳を交えて話を聞き、交流する機会を設けていきます。