開催報告:早稲田大学総合研究機構 オペラ/音楽劇研究所 2023年度7月研究例会
2023年7月研究例会(第212回オペラ研究会)
- 日 時:2023年7月15日(土)16:30 – 18:30
- 開催方式:オンライン開催(Zoom使用)
- 発 表 者:森 立子
- 所属・資格:日本女子体育大学ダンス学科 教授
- 題 名:『ジャン=ジョルジュ・ノヴェール「舞踊とバレエについての手紙」――増補改訂版の考察』
- 発表言語:日本語
- 概要:
J.G.ノヴェールの『舞踊とバレエについての手紙』(初版1760年)は、18世紀バレエ改革の代表的理論書として知られている。だがノヴェールはその後、この初版を増補する形で同書の改訂を続けており、実際、彼の存命中に数種類の増補改訂版が出版されている。
これらの増補改訂版の中にも、初版に含まれる15の手紙はそのまま掲載されており、このことから、ノヴェールの基本的な立場は19世紀初頭の晩年に至るまで不変であったと見ることが出来る。しかしながら一方で、増補改訂版に新たに追加された文章には、初版では触れられていない事項も多く含まれている。
そこで今回の発表では、この「追加された部分」に注目したい。ここには、バレエの制作や上演方法に関するより具体的な情報、ないし提言が含まれていると同時に、初版で展開された主張を修正するような議論も含まれている。この両者について、いくつかの重要なトピックを抽出しながら考察を進めたい。
- 発表者プロフィール
東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院音楽研究科博士後期課程単位取得満期退学。博士(音楽学、東京藝術大学)。現在、日本女子体育大学ダンス学科教授。専門は西洋舞踊史、音楽史。主な著書に、『ノヴェール「舞踊とバレエについての手紙」全訳と解説』(道和書院、2022)、『バレエとダンスの歴史 欧米劇場舞踊史』(共著、平凡社、2012年)、訳書に、ジル・ド・ヴァン『イタリア・オペラ』(白水社、2005年)などがある。また、2018年よりバレエ史研究会を主宰している。
- 司会者 : 釘宮 貴子
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