「市民とともにつくるエンゲージド・ジャーナリズム」第8回
概要
- 日 時:2022年11月12日(土) 午前10:00~11:30
- ゲストスピーカー:デリック・ケイン(Resolve Philly コミュニティー・エンゲージメント・ディレクター)
- 司 会:青木紀美子(NHK放送文化研究所 研究主幹)
- 参加費:無料
- 開 催:オンライン会議形式(Zoom)
お申込 (現在は終了しております。)
事前登録が必要になります。以下のURLにアクセスし、ご登録ください。ご登録頂くと、Zoom参加のご案内メールが届きます。
※日英の同時通訳がつきます。
※内容は収録し、ご登録頂いた方には事後一定期間、動画を視聴できるようにします。
ゲストスピーカーのご紹介
今回のゲストスピーカー、デリック・ケインさんは、アメリカ東部フィラデルフィアで課題解決型のジャーナリズム連携を推進してきた非営利組織「Resolve Philly」(解決・フィラデルフィア)のコミュニティー・エンゲージメント・チーム5人のリーダーです。
「Resolve Philly」の主導で、フィラデルフィアでは、テレビやラジオ、新聞、オンラインニュースなど20以上のローカルメディアが協力し、受刑者の社会復帰を当事者や市民とともに考える『Reentry Project』、経済困難の現実を多角的に伝える『Broke in Philly』など、常にあるために正面から取り上げることが少なかった問題を継続的に伝える報道を行っています。デリックさん自身も8年間服役し、そうした困難を乗り越えてきた経験にもとづくインサイトを活かし、メディアに見過ごされがちだった地域や住民、周縁に追いやられてきた人々との信頼関係を育んできました。市民自らが語る力、取材を受ける側の権利などの知識を身につけることを支援する一方、市民とジャーナリストとの間の橋渡し役をつとめています。今回の講座は、その「橋渡し」の難しい舵取りや課題、実績などについて話をして頂き、参加者との質疑応答、意見交換の機会とします。
オンライン連続講座について
報道への信頼低下や読者・視聴者離れ、多様性欠如の表面化など、伝統メディアは今さまざまな危機に直面しています。デジタル空間には真偽ないまぜの情報が氾濫し、偽情報の拡散、陰謀論の浸透などによって人々は何を信じれば良いのかわからない、あるいは根拠を欠いても自分が信じたいことを信じる、という事態も起きています。こうした状況を背景に、アメリカやヨーロッパでは、市民とつながり、信頼を育み、ともにニュースをかたちづくり、発信していこうというエンゲージド・ジャーナリズム(Engaged Journalism)の試みが広がっています。「市民のために」ではなく「市民とともに」、人々を「情報の受け手=オーディエンス」だけではない「情報発信の協力者=パートナー」と位置づける。双方向の対話のチャンネルを開き、その疑問や意見に謙虚に耳を傾けるところから始め、信頼できる情報を共有し、地域の課題解決にもつなげていこうという取り組みです。
早稲田大学次世代ジャーナリズム・メディア研究所とNHK放送文化研究所が共催するこのオンライン連続講座ではエンゲージド・ジャーナリズムの実践者や研究者を招き、多様なエンゲージメントの実践と実績、背景にある問題意識などについて同時通訳を交えて話を聞き、交流する機会を設けていきます。