Admissions Center早稲田大学 入学センター

見慣れたイメージを探求し「当たり前」を疑う力を培う

変化していくイメージと人類の本質的な関わりを探る

私の専門は表象文化論、近年ではとりわけ人類にとっての「イメージ」の意味を問う「イメージ人類学」に関心を持っています。「イメージ」という言葉には「偽りのもの」というようなニュアンスがつきまといますが、鏡や写真を通してしか自分の姿を見ることのできない私たちにとっては、「私は何者なのか?」という自己同一性もまたイメージに他なりません。そのようなアイデンティティを構成するイメージは、文化や時代によって変化します。19世紀末には「指紋」が、こうしたアイデンティティのイメージの仲間入りをしました。鉄道網の発達などによって人の移動が活発になるにつれ、「見た目」だけでは人の特定が困難になります。このような文脈の中で指紋は「発見」され、今ではスマートフォンの認証などで身近なものになっています。しかしみなさんは自分の指紋を自分で実際に目にしたことがあるでしょうか。指紋の登場は、「自分では分からないもの」によって自分が特定されるようになるという、アイデンティティの歴史における大事件なのです。

現代にまで伝わるイメージの起源をたどる

学生たちには、身近にあふれる「イメージ」に疑問の目を投げかける習慣を身につけてもらいたいと願っています。今年のゼミでは魔女のイメージの変遷をたどってもらいました。「魔女」といえば箒にまたがった黒い衣装の女性を誰もがイメージしますが、西洋では「悪」とされていたこの存在が、現代においてかわいらしいキャラクターとして受け入れられるまでの、歴史を調査しています。イメージの伝播力は強く、時には誰もがそれを「当たり前」と受け入れてしまいますが、その力は危険なものになることもあります。イメージ研究は、「当たり前」と思われていることを疑い、問い直す思考の訓練です。この訓練は、常識にとらわれない発想力など、社会に出てからもさまざまな場面で応用の利く力を養ってくれることでしょう。このような訓練は、旧来の枠にとらわれない思考力の涵養を目指す、文化構想学部の学びの理念とも一致しています。身近なものが学問につながり、それが社会を変える力をも持ちうるということを、ぜひ文化構想学部で学び取ってください。


橋本 一径 Hshimoto Kazumichi

文化構想学部 教授

※掲載情報は2019年度内の取材当時のものです。

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