Admissions Center早稲田大学 入学センター

疑問に正面から向き合い解き明かしていく過程を通して人はより自由になれる

部活問題を客観的立場で考察し対話を促す

部活のあり方が社会問題となっています。この10 年で中学校教員の土日の部活指導時間が約2 倍になるなど、活動時間や日数が増え、多くの生徒や教師が疲弊している現状があります。部活の歴史や問題を研究する私のもとにも、各地の中高生や教員、保護者などから悩む声が寄せられています。部活は授業とは違い、してもしなくてもいい自主的な課外活動です。そのためこれまで公的なルールづくりが進まず、歯止めのない状態のまま長く放置されてきた弊害が、一気に表面化していると言えます。問題を受けて2018 年3 月、国は部活に関するガイドラインを策定。部活がいかに変われるかが今問われています。一方で、部活の悪い面ばかりを見ていては、良い面を見逃してしまうでしょう。それぞれの地域や学校、個人によっても、部活に対する考え方は違います。そのなかで私の役割は、客観的な立場から問題の原因や経緯を明らかにし、皆が納得できる基礎的な情報を提供することです。持続可能な部活のあり方について、人々の対話を促す橋渡し役でありたいと思います。

社会現象としてのスポーツを科学的に研究

トレーニング科学やスポーツ医学、バイオメカニクスなどはいずれも、スポーツに関係する自然現象に着目して研究する分野です。一方でスポーツには社会現象としての側面もあり、中でもスポーツと社会の関係を考えるのが、私の専門であるスポーツ社会学です。ゼミでは社会科学的アプローチの基礎を学び、それを用いて、学内の体育各部などを対象に研究に取り組みます。社会現象の不思議を科学的に解明していく過程は、知的興奮を楽しめるだけでなく、より大きな自由を手にいれることにもつながると私は考えています。例えば部活がつらいと感じている人が「なぜ部活をするのだろう」「そもそも部活とは何か」という疑問に正面から向き合い考えることで、自分の苦しみの正体や、対処の仕方が見えてくるでしょう。スポーツ科学部の良さは、自然科学から社会科学まで、疑問へのアプローチ方法を幅広くそろえていることです。その中から選択し身につけた科学的な素養は、将来的にスポーツ以外のどのような対象でも、自分で考えて解明していく力になります。


中澤 篤史 Nakazawa Atsushi

スポーツ科学部 教授

※掲載情報は2018年度内の取材当時のものです。

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