数物系科学コースの学生、渡辺昌仁さん(基幹理工学研究科 機械科学・航空宇宙専攻 吉村浩明研究室 博士後期課程4年)は、米国機械学会流体工学部門が主催する国際会議 “ASME Fluids Engineering Division Summer Meeting (FEDSM) 2021” のFlow Visualization Competition (流体可視化コンペティション) にて優秀賞を受賞しました。
また、研究内容はJournal of Fluids Engineeringに掲載されました。
- 渡辺昌仁さん/吉村浩明教授
以下、渡辺さんより受賞コメントをいただきました。
受賞研究テーマ 「摂動を受けるレイリー・ベナール対流に現れるラグランジュ・コヒーレント構造 (LCS) の可視化」
今回受賞対象となった研究は、「摂動を受けるレイリー・ベナール対流に現れるラグランジュ・コヒーレント構造 (LCS) の可視化」に関するものです。典型的な自然対流として知られるレイリー・ベナール対流では、レイリー数を臨界値よりも少し大きく設定すると、流速ベクトル場が僅かに振動します。このように流速ベクトル場に摂動を受ける流れ場では一般に、流速ベクトル場が安定に見えても、一部の流体粒子は極めて複雑に、いわばカオス的に輸送されます。本研究では、そのカオス的な流体輸送のメカニズムを解明するために、レイリー・ベナール対流の2次元流速ベクトル場を粒子画像流速測定 (PIV) 法により計測し、ラグランジュ・コヒーレント構造 (LCS) と呼ばれる不変構造を可視化しました。この度はこのような賞を頂くことができ、大変光栄に存じます。数物系科学拠点の日々のご支援に心より感謝申し上げます。