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留学レポート:ライス大学(アメリカ合衆国)
- Posted
- 2025年12月24日(水)
創造理工学研究科・総合機械工学専攻 博士課程の三川さんが、2025年10月から2024年12月まで、アメリカのライス大学に留学し、Tayfun E. Tezduyar先生の指導のもと、火星探査用パラシュートの周りに生じる衝撃波を高精度に捉える適合格子細分化法の研究に取り組みました。
1. 滞在場所
アメリカ合衆国・テキサス州ヒューストン、ライス大学
2. 滞在期間
2025年10月から2025年12月
3. 主なホスト教授
Prof. Tayfun E. Tezduyar (ライス大学)
4. 派遣プログラムの内容・目的について
Tayfun E. Tezduyar教授の指導のもと、火星探査用パラシュートの周りに生じる衝撃波を高精度に捉える適合格子細分化法の研究に取り組みました。
5. 研究活動・学習成果について
火星探査用パラシュート周りに生じる衝撃波は時間とともに発展する。そのため、これらの衝撃波を正確に捕捉するには、計算ステップごとに細分化が必要な要素を自動的に判定し、局所的にメッシュを細分化するシステムの構築が不可欠である。滞在期間中は、Tezduyar教授との議論を通じて、計算結果から衝撃波の位置を特定するための評価指標を開発した。具体的には、各格子における衝撃波方向の密度勾配を解析することで、パラシュート周辺に形成される複雑な流れから衝撃波の位置を特定できるようになった。また、構築したシステムを用いて、2次元火星探査用パラシュートモデルの流体解析を実施したところ、弓状衝撃波近傍の格子を局所的に細分化することで、効率的に衝撃波のエッジを捕捉できることが確認された。
6. 海外での経験について
東京とは異なり、ライス大学周辺では豊かな自然が広がっており非常に快適で、研究に集中できる環境であった。滞在したアパートメント周辺もとても静かで、クリスマスに近づくに従って各家庭や道路が装飾されるなど、東京で暮らしている自分にとっては新鮮でかつ居心地の良い生活を過ごすことができた。また、ヒューストンではスポーツイベントも盛んであり、休日にはアメリカンフットボールやバスケットボールの試合を観戦し、ダイナミックな演出に感動した。
7. 今後の進路等への影響、今後の目標等
今後は、引き続きTezduyar教授や滝沢教授と共に、ライス大学にて構築した適合格子細分化法を3次元へと拡張し、火星探査用パラシュート周りの衝撃波捕捉に向けた計算手法の構築に努める。
8. 謝辞
本留学を支援くださったSGU拠点長である滝沢教授をはじめ、予算手続きを担当いただきました杉本様、神様、そして滞在先で研究指導をしていただいたTezduyar教授に心より感謝申し上げます。

