- 海外派遣学生
- 手塚拓夢 Takumu TEZUKA
手塚拓夢
Takumu TEZUKA
- Posted
- Tue, 10 Feb 2026
基幹理工学研究科 修士1年
手塚 拓夢
- 派遣期間:2025年9月~2025年11月
- 派遣先大学:ブリュッセル自由大学
- 派遣先国・地域名:ベルギー王国、ブリュッセル
海外派遣を希望した理由
私が海外派遣を希望した理由は、実験装置に関する技術を習得するためです。今後取り組みたいフォグネット研究において実績のある Denis Terwagne 教授のもとで、実験装置の操作方法や運用方法を学ぶことで、自身の研究をさらに発展させたいと考えました。また、SGUの渡航支援制度が整っている点にも魅力を感じ、海外派遣を希望しました。
研究内容・成果
滞在期間の3か月のうち、最初の1か月は実験装置の使用方法について学びました。残りの2か月で新たなフォグネットの製作と性能評価を行いました。従来と異なる切り紙構造に焦点を当て、特定の環境下での性能評価し、従来構造との比較を行いました。得られたデータは、今後解析を進め、論文誌に投稿することを目指しています。
学校環境
ブリュッセル自由大学はブリュッセル市中心部に位置し、最寄りのトラム駅から徒歩5分程度とアクセスに優れていました。重厚感のあるレンガ造りの建物が立ち並び、歴史を感じました。私が所属した研究室のあるキャンパスはメインキャンパスとは異なり、学生の往来が少ない静かな環境でした。

レンガ造りのキャンパス
国際交流
研究室には複数の国から学生が集まっており、昼食にはサンドウィッチを一緒に食べたり、研究後にはビールを一杯飲みに行ったりしました。研究室内では主にフランス語が使用されていましたが、多くの学生や職員の方々は英語も話すことができ、状況に応じて複数の言語を使い分けながらコミュニケーションを取っていました。複数の言語を使いこなす彼ら・彼女らの姿に、多くの刺激を受けました。

キャンパス近くのサンドウィッチ屋

研究後にビールを飲みに行った時の様子
住居環境
研究室から電車とトラムで約30分の場所にある家に滞在しました。Airbnbを利用し、ホストと2人の小学生の子どもたちと暮らす、いわばホームステイに近い形式でした。
滞在中に苦労した点の一つは言語です。ホストファミリーは主にスペイン語を話しており、私はスペイン語を全く話せなかったため、コミュニケーションに苦労する場面もありました。しかしその一方で、スペイン語と英語の共通点や独特の発音に気づくなど、多くの学びがありました。結果として、3か月間は刺激に満ちた、退屈しない日々を過ごすことができました。

滞在先のリビング
周辺環境
滞在先周辺には地下鉄の駅、大型スーパー、大型ショッピングセンターが徒歩圏内にそろっており、生活するうえでは困ることはありませんでした。住宅地で、学校も多く、治安も良好でした。夜に一人で歩いても不安を感じることはありませんでした。
また、9月第3日曜日にはベルギー全国で自家用車の使用を控える日があります。代わりに、ブリュッセル市内の地下鉄が無料で乗れます。道路が静まり返る一方で、世界遺産グランプラスでは祭りが開催され、町が一段と活気づいている様子が印象的でした。

滞在先近くの大型ショッピングセンター

9月第3日曜日のグランプラス
祭りが開催される
現地の文化
私が感じたベルギー独特の文化は、大きく2つあります。
1つ目はビール文化です。ベルギーに住む職員は、自国を「ビール王国」と誇らしげに語っており、実際、スーパーマーケットには日本では考えられないほど多種多様なビールが並んでいました。また、研究室にも数十本単位のビールが常備されており、ビールが人々の生活に深く根付いていることを実感しました。
2つ目は、言語に対する強い意識です。ベルギーにはフランス語・オランダ語・ドイツ語の3つの公用語があり、地域ごとに使用される言語が異なります。私自身、ベルギーのオランダ語圏の飲食店でフランス語であいさつしてしまった際に、「ここではオランダ語であいさつすべきです」と指摘されたことがあり、言語への意識の強さを強く感じました。
海外経験を経て、今後の目標
今回の海外派遣を通じて、自身の研究分野への理解を深めると同時に、日本の研究スタイルとの違いを実感しました。日本を離れたことで、日本の研究環境が持つ恵まれた点や安心感にも改めて気付くことができました。また、英語で円滑なコミュニケーションの取り方についても学びました。今後は、国際的な場において積極的にコミュニケーションを図り、リーダーシップを発揮できる人材を目指したいと考えています。
終わりに
日本での研究環境は、母国語で議論でき、信頼できる仲間に囲まれ、慣れた生活環境の中で研究に集中できる点でとても恵まれていると感じます。しかし、その心地よさは日常では意識しにくいものでした気付きにくいものでした。海外で生活したことで、日本の研究環境のありがたさを実感できました。また、私が滞在した研究室では、英語力そのものが重視されている印象はなく、大切にされていたのは「相手に伝えようとする姿勢」であると感じました。英語力への不安から留学をためらっている方がいるなら、過度に心配する必要はないのかもしれません。
最後に、SGU拠点事務支援チームをはじめ、今回の派遣に際してご支援いただいたすべての皆様に深く感謝申し上げます。