部会主任 Research Project Director
高橋 百合子 准教授 TAKAHASHI Yuriko, Associate Professor
研究部会区分 Research Project type
外部資金部会 Outside Funding Project
研究課題 Research Subtitle
米国におけるマイノリティ集団(ラテン系有権者の事例)の政治意識と政治参加に関する研究
Political Attitudes and Participation of Minority Groups in the United States: The Case of Hispanics
研究計画 Research Project Plan
本研究は、日米の研究者が共同で、回答者主導型サンプリング(Respondent-Driven Sampling: RDS)とフィールド実験を組み合わせて実施し、米国における人種的・エスニックマイノリティ集団の投票参加を妨げる要因を解明することを目指す。政治学において、米国の有権者を対象として大規模なサーベイおよびフィールド実験を行い、政治参加を規定する要因、および選挙動員の効果を明らかにした研究蓄積は膨大である。これまでの研究は、選挙管理機関が作成した有権者登録リストや、民間の調査会社が提供する消費者ファイルを利用してサンプリング(標本抽出)を行い、選挙動員の因果効果に関する実証研究を行ってきた。しかしながら、最新の研究では、従来の研究が用いるこれらのリストのいずれにも掲載されていない、「政治的に不可視(politically invisible)」である人々が、有権者の少なくとも11%に上ることが指摘されている。つまり、これらのリストに基づく既存研究は、米国有権者の1割を超える人を除外したサンプリングに依拠して行われてきた。よって、こうした一連の研究が提示する推定結果にはバイアスが生じている可能性が示唆される。また、除外された人の多くは黒人またはヒスパニック系であることから、サンプリングにおいて人種的マイノリティ集団が過少代表されてきたといえる。この問題点を克服するためには、独自に大規模調査を実施する必要がある。このためには、日米の研究者が、アメリカの研究機関を拠点としつつ、国際共同研究体制を構築し、周到に準備を進めることが欠かせない。具体的に、シカゴ市において、米国で最大規模のマイノリティ集団であるヒスパニック系有権者を対象として、RDSとフィールド実験を実施することにより、リストから除外されたヒスパニック系有権者の投票を妨げる要因、およびそれを克服する選挙動員戦略の解明に挑む。
構成員 Members
氏名 | 所属 | 資格 | |
兼任研究所員 | 高橋 百合子 | 早稲田大学政治経済学術院 | 准教授 |
特別研究所員 | 飯田 健 | 同志社大学法学部 | 教授 |
宋 財泫 | 関西大学総合情報学部 | 准教授 |
Name | Affiliation | Position | |
Concurrent researchers | Takahashi Yuriko | FPSE | Associate Professor |
Associate Researchers | Iida Takeshi | Faculty of Law, Doshisha University | Professor |
Song Jaehyun | Faculty of Informatics, Kansai University | Associate Professor |