Waseda Institute of Political Economy早稲田大学 現代政治経済研究所

講演者：平田　康治 (Monash University)

開催概要

開催日時：2023年6月20日（火）17:00-18:20

会場：Zoom

講演題目： 中国国民政府と戦後満洲：鞍山鋼鉄公司を中心に

講演概要：

これまでの研究では、日中戦争期に国民党が支配していた内陸部に注目しながら、第二次大戦中の国民党政府の経済政策と1949年後の中華人民共和国の政策の連続性が論じられてきた。それに対して、本報告では、中国の最も重要な重工業地域であった満洲に焦点を当てた。中国語・ロシア語・英語・日本語といった多言語の史料を踏まえて、満洲の工業はソ連占領下で大きな打撃を受けたにもかかわらず、その重要性が失われることはなく、国民党が満洲国時代から滞在していた日本人との協力を通じて復興を進めたことが明らかにされた。そして、大戦後には、内陸部で展開していた国民党の国有企業制度が満洲にも普及するなど、満洲国と国民党の遺産が毛沢東時代にも継承されたことが論じられた。報告に続いて、参加者との活発な議論が交わされた。

（講演言語：日本語）