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【SGU国際日本学拠点】「文化生産者としての<作者>」をテーマに国際シンポジウムを開催

丹治愛編、知の教科書 批評 理論 P21

丹治愛編、知の教科書 批評 理論 P21

ロラン・バルトが「作者の死」(1968年)を唱えてから半世紀近く、「読者」に焦点をおいたその思考は文学研究、とりわけ近代文学において影響を与えました。

今日<作者>を問題にすることは<作者>の概念や機能を改めて問うことを切り口として、文化の生産者・享受者が属するさまざまな集団、ネットワーク・メディア、社会環境のありようを明らかにし、そのダイナミクスの中で、文化テクストがどのように創造、再創造されてきたかを再考するものです。異なるジャンルやメディア(写本、書画、木版、活版、絵画、彫刻、建築、芸能、音楽、演劇、写真、映画、漫画、アニメ、デジタルテクスト、インターネット・ソーシャルメディア、など)の相互の関連性を取り上げつつ、日本における<作者>の問題を、古代から現代にいたる東アジアならび欧米の状況と広く比較、検討することです。

文学・人文学研究の基盤を考え直し、文化創造と享受の歴史、現在・未来についてあらたな展望を開くことを目指す第一歩として、 7月26日、早稲田大学において「文化生産者としての<作者>」をテーマとして国際シンポジウムが開催されました。このシンポジウムはスーパーグローバル大学創成支援事業「国際日本学拠点」と早稲田大学角田柳作記念国際日本学研究所が主催し、コロンビア大学東アジア言語文化学部共催のもと、学内外からの研究者、教員、学生をはじめ、100名を超える参加者を集めて行われました。

国際日本学拠点リーダーである十重田裕一早稲田大学文学学術院教授による開会の辞に続いて、鈴木登美コロンビア大学教授が開催の趣旨を述べて、シンポジウムは始まりました。絵画、文学、演劇といった様々なジャンルに関する4つの講演が行われ、<作者>とは何か、その役割や機能について発表がなされました。講演後、モデレーターによってディスカッションが行われ、講演者、参加者を交えて活発な議論が行われました。最後にハルオ・シラネ コロンビア大学教授と角田柳作記念国際日本学研究所長である李成市早稲田大学文学学術院教授が閉会の辞を述べ、4時間に及んだシンポジウムは幕を閉じました。

20160726_[文化生産者としての<作者>」写真素材

講演

稲賀繁美(国際日本文化研究センター教授)
刻印と反復:森村泰昌における世界美術とその作者・石川九楊の『中国書史』における筆跡と歴史を考察の出発点に
小野正嗣(立教大学教授)
無力な作者
児玉竜一(早稲田大学教授)
演劇をつくるのはだれか
-「俳優即演出家の演劇」である歌舞伎を中心に-
小峰和明(立教大学名誉教授、早稲田大学客員上級研究員)
日本中世の偽書と作者伝承

モデレーター

荒木浩(国際日本文化研究センター教授)
鈴木俊幸(中央大学教授)
高岸輝(東京大学准教授)
仲町啓子(実践女子大学教授)
渡部泰明(東京大学教授)

オーガナイザー

益田朋幸(早稲田大学教授)
尾崎名津子(早稲田大学客員主任研究員)
陣野英則(早稲田大学教授)
埋忠美沙(早稲田大学助教)

企画・運営

ハルオ・シラネ(コロンビア大学教授)
鈴木登美(コロンビア大学教授)
李成市(早稲田大学教授)
十重田裕一(早稲田大学教授)

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