Advanced Research Center for Human Sciences早稲田大学 人間総合研究センター

その他

児童生徒への教育活動と教師の持続的な成長機能を併せ持つ循環型学校モデルの開発

f_nojimaeiichiro

研究代表者
野嶋 栄一郎
NOJIMA Eiichiro
人間科学部教授

教員情報

本プロジェクトの概要と目的

現在、教員免許更新制や大学教職課程における教職6年制の議論、教職実践演習の導入によって「教員養成とその質の保証」が社会的にも喫緊の課題である(文部科学省、2009)。さらに、2002年以降からの学校評価や学校の自主・自律性の高まりに伴う学校の組織的改善や教師間の関係強化、地域との連携も強調されている。

こうした現状を鑑みると、教師の育成には、外部研修や校内研修といった形式的な仕組みだけではなく、学校の機能の一つとして、日常の実践において教師が育成される仕組みを学校内に形成する必要性があるといえる(野嶋、2000)。これは、教育活動の現場における教師を育成する仕組みをシステム論的に見直すことを意味する。

そこで、本研究では、独自のカリキュラムに基づき、教師間の協調的な取り組みや教師の挑戦的な授業開発研究が日常的に行われている千葉県館山市立北条小学校を対象とする(佐藤、2009)。本研究の目的は、学校内に埋め込まれている教師を育成する仕組みを可視化させ、日常の児童への教育活動を資源としながら、教師の持続的な成長を促進する機能を持った循環型学校モデルを開発・提案することである。

研究の視点として人間発達の生態学的モデル(Bronfenbrenner, 1979)を援用し、以下の3つの水準で研究課題を設定する。

  1. 個人の水準

    教師個人に注目し、その成長発達のプロセスの検討

  2. 集団の水準

    学年集団および教科集団の教師間の関係に注目し、同僚性(Collegiality)という観点から、教師間の関係を支える要素の抽出

  3. 学校組織の水準

    学校全体に注目し、学校と外部(地域、PTA、OB教師)との関係から学校評価の基準となる評価モデルの試案

このように、個人・集団・学校の水準ごとに教師の活動全体をとらえ、水準間の関係を検討するで、教育現場における教師個人の実践の評価と同時に、学校全体の評価を行うことが可能になり、実践の改善の指標の1つとなる点において実践上の意義があると考えられる。

研究構成員

  • 野嶋 栄一郎(早稲田大学人間科学学術院教授)
  • 浅田 匡(早稲田大学人間科学学術院研究員)
  • 山本 裕子(早稲田大学人間総合研究センター招聘研究員)

プロジェクト期間

2010年4月~2013年3月

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