人間総合研究センター所長 西村 昭治
早稲田大学は2004年9月に新しい教員組織として学術院を設置しました。それまでは早稲田大学の教員は本属として学部あるいは独立大学院に所属することになっていました。しかしながら、各学部には同名の大学院と附置研究所が設置されており、いずれの組織もそのメンバーはほぼ同名の学部を本属とする教員と同じでしたが、それぞれが独立した組織を運営しており、その間の調整に時間が取られることもしばしばございました。
教育研究の高度化、オープン化、国際化、の進展が大学に有機的かつ効率的な組織作りを促しました。早稲田大学ではそれに応えるために、同名の学部、大学院、研究所(研究センター)を一体化して学術院という組織の中に位置づけることしました。そして学部、大学院、研究所での決め事は最終的に学術院教授会で諮られることになりました。
このようにして早稲田大学人間総合研究センターは2004年9月より人間科学学術院を構成する研究所として新たな一歩を踏み出すことになりました。従来の人間総合研究センターはもっぱら他大学や企業からの委託研究や共同研究を実施する組織でしたが、現在では人間科学学術院の一組織として研究を通じて様々な方々と人間科学学術院をつなげる役割を担っています。
人間科学部は学士(人間科学)を授与する教育機関、大学院人間科学研究科は修士(人間科学)および博士(人間科学)を授与する教育機関でありますが、教育は学校の中だけで完結するものではなく、家庭や社会においても継続的に行われるものであると考えます。その意味において教育機関と社会の協働は大変重要です。人間総合研究センターは社会の様々なニーズと人間科学学術院の学生、教員を繋げる窓口として機能したいと考えております。また、様々な社会連携や研究プロジェクトを通して若手研究者の育成にも力を入れております。
どうぞ、人間科学学術院の身近な入口として人間総合研究センターをご活用いただければ幸いです。