Waseda University Junior High School早稲田大学 高等学院 中学部

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芸術鑑賞教室 活動報告
~歌舞伎鑑賞教室で、「人情噺文七元結」を鑑賞して~

2021年度の芸術鑑賞教室は6月17日(木)に行われました。今回は国立劇場の歌舞伎鑑賞教室で、「人情噺文七元結(にんじょうばなしぶんしちもっとい)」を鑑賞しました。
以下、生徒の感想です。

「歌舞伎の空気感」
「人情噺文七元結」は、見ていて、現代ドラマのようなリズム感やテンポの良さを感じられました。また、歌舞伎はもっと堅苦しく、マナーのかたまりのようなイメージを持っていましたが、見ていると自然に楽しめました。「世話物」というジャンルがそうさせているのかもしれませんが、昔は、歌舞伎が今の漫才のように楽しまれていたのかなと思いました。言葉もかなり理解できて、ストーリーも楽しめ、誇張した表現も自然に入ってきました。それは、歌舞伎が本当に観客第一で、お客さんが楽しめるように工夫されてきた賜物なのかなと思いました。
今回は一回休憩が入ったけれど、休憩で興味が下がるということもなく、逆に舞台の時間が近づくにつれて気持ちが盛り上がりました。それは、DVDではなくわざわざ劇場まで行って、その空気感、売店、展示物など全てひっくるめて見ることで得られるものだと思いました。歌舞伎は、観客と会場、そこにある全てのものを合わせたエンターテイメントなのだと思いました。
(1年・白瀧)

「歌舞伎鑑賞教室を終えて」
僕は、今回観た歌舞伎の中で、最後のハッピーエンドのシーンが一番印象に残った。長兵衛が、角海老から家に帰る途中に出会った人に、女将さんから貸してもらった五十両をわたして身投げを食い止め、その善良な行動がちゃんと長兵衛のもとに帰ってくるという展開が、理にかなっていてとても良いなと思った。
最初長兵衛は、博打や酒でお金をふんだんに使ってしまうようなどうしようもない人であったが、娘のお久が自分達のために自ら稼ぎに出かけたということを知って、これからは博打も酒もやめようと改心するところが、長兵衛のお久に対する愛が感じられてとても感動した。
また、僕は今回歌舞伎を観て、役者の人たちは本当に演技がうまいなと思った。角海老の内証に居た人たちは、本当は女なのではないかとさえ思ってしまうほどだった。
僕は最初、歌舞伎はとても厳かな雰囲気だけで行われるものだと思っていたが、実際はそれだけではなく、愉快で面白い場面がたくさんあり、特に、大川端での出来事をめぐって長兵衛夫婦が喧嘩をするシーンは、まるでコントのようで、とても面白かった。
(2年・山下(修))

「歌舞伎―その伝統と人情」
鑑賞教室に行くまで、歌舞伎は古文の授業で教わるような古語で演じられるばかりのものだと思い、物語の内容が理解できるか不安だった。
しかし、最初に歌舞伎という芸能の特徴について説明があり、廻り舞台という機械で歌舞伎の場面を素早く切り替える独特な舞台構造や、舞台の下手側にある黒(くろ)御簾(みす)という場所で舞台場面によって音楽を変えるといった工夫をしていることなどを教えていただいた。それらを理解したうえで歌舞伎を観ることができたので、よりいっそう楽しむことができたと思う。落語が元の人情噺文七元結という演目も、台詞が現代語に近く、江戸の義理人情が令和の時代にも普遍性を持って心に響き、すんなりと歌舞伎の世界観に入り込めた。
実際に舞台を目にすることで、歌舞伎を現代まで伝承させてきた魅力を堪能でき、観終わって劇場を出るときにはコロナ禍のことも忘れさせてくれ、「日本に歌舞伎があってよかった」と思えた。
今回、鑑賞教室に参加させていただいたことで、代々受け継がれてきた日本の伝統文化について触れる素晴らしい体験ができた。この、世界に誇るべき日本の文化の灯を絶やさず、自分の目で見ることを可能にしてくださった国立劇場に感謝するとともに、未来にもこの遺産を伝えていくのは私達の使命であるとも感じている。
(3年・中谷)

 

 

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