Waseda Weekly早稲田ウィークリー

特集

新2年生が語る オンライン生活での気付きとキャンパスライフへの期待

2021年度の授業について、7割を対面で実施することを目指す早稲田大学。キャンパスには1年ぶりにたくさんの学生たちが戻ってきました。今年は初々しい新入生だけでなく、昨年度思い描いていたキャンパスライフを過ごせなかった多くの2年生にとっても新しいスタートと言えるでしょう。入学以来、ほぼキャンパスに来ることなく過ごした新2年生たちは、この1年間何を考え、どのような学生生活を過ごしてきたのでしょうか?

今回は、新2年生3名による座談会を企画。『早稲田ウィークリー』レポーターの長谷川拓海さん(教育学部3年)を進行役に、オンライン生活で考えたこと、活動したこと、これからやってみたいことなど、現在の率直な思いを聞きました。

(左から)大島さん、佐藤さん、鬼頭さん、長谷川さん

政治経済学部 2年 大島 千乃(おおしま・ゆきの)
先進理工学部 2年 佐藤 響(さとう・ひびき)
教育学部 2年 鬼頭 里歩(きとう・りほ)
インタビュアー:早稲田ウィークリーレポーター(SJC学生スタッフ)  教育学部 3年 長谷川 拓海(はせがわ・たくみ)

※座談会は2021年3月に新型コロナウイルス感染症の予防を徹底した上で行いました。

長谷川

2020年度、早稲田大学では入学式の中止が決定し、春学期の授業は5月から全面オンラインとなりました。当時はどんな気持ちでしたか?

大島

新型コロナウイルス感染症が流行し始めた当初から、通常の大学生活を送るのは難しいだろうと思っていたので、入学式の中止もオンライン授業も、自然な流れとして割り切って捉えていました。

佐藤

当たり前にあるはずの入学式や対面授業がなくなってしまったことに、最初は驚きました。昨年5月の緊急事態宣言解除後からは、感染対策をした上で、飲食店でのアルバイトや、以前から興味のあった人工知能(AI)の勉強を始めるなど、神奈川県相模原市の自宅や近隣でできることをやろうと思うようになりました。

独学で始めたAIのテキスト。ディープラーニング(深層学習)の理論と実践の勉強は2年生になっても続けるそう

鬼頭

私は昨年3月末に大学の提携寮に入寮しました。全面オンライン授業になったと知ったときは少し戸惑いましたが、寮には同じ境遇の同級生や先輩が身近にいます。オンライン授業になってずっと寮で過ごすことになりましたが、先輩から大学生活について話を聞いたり、友人と会話を楽しんだりしながら過ごすことができました。

長谷川

初めてのオンライン授業で大変だったことは?

鬼頭

画面越しに相手の表情を見て気持ちをくみ取るのが難しくて、うまく話せないことがありました。授業中に4〜5人ずつに分かれてディスカッションを行うZoomでのブレイクアウトルームの時間も、慣れないうちは盛り上がらず活用できませんでした。スムーズに交流ができるようになったのは、春学期の終わり頃になってからでしたね。

 

大島

Zoomなどのオンラインツールでは、画面の映りが大事ですよね。私は部屋の明るさを調節したり、目線の高さを調整するためにパソコン台を購入したりして、オンライン上でも円滑なコミュニケーションが取れるように心掛けていました。授業に限らず、私たちは早大生本来の学生生活を知らないので、実は比べることができないんです。そんな中でも大変だったのは、学生生活について相談できる友人を作れなかったこと。履修科目を決める際は、シラバスなどの資料をひたすら読み込み、疑問に思うことは全て自分だけで解決しなければいけなかったので、不安に思うことも多かったです。

佐藤

理系科目に関しては、基礎的なスキルを磨く演習の授業形態が大きく変わってしまいました。実験の動画を見て自分なりの解釈をレポートにまとめていたのですが、初めてのことも多く、調べ物など、個人の裁量に任せられていた点に苦労しました。

長谷川

皆さんはそれぞれの問題をどう解消したのでしょうか?

大島

私は実家でオンライン授業を受けていたのですが、周囲に頼れる人がいない状況に、少し心のバランスを崩しました。自分で気付かないうちに、つらい気持ちにふたをしてしまっていたんです。でも、そのことに気付いてからは、母に話したり、散歩に出掛けたりして気分転換をし、そうした気持ちを解消するように努めました。相談し合える友人ができたのは、サークル活動への参加がきっかけで、夏休み以降のことでした。

大島さんがオンライン新歓で聞いた活動理念に納得して入会したという「早稲田大学フラッシュモ部」(公認サークル)。「早稲田祭2020」ではオンラインイベントに参加

佐藤

オンラインで演習科目をこなす大変さについては、仕方ないと割り切りました。そして「通学して勉強することだけが大学生活ではないんだ」と気持ちを切り替えるようにしました。先進理工学部は西早稲田キャンパスにあるので、移動時間の問題もあり、通常は早稲田や戸山キャンパスで実施される授業は履修しづらいのですが、グローバルエデュケーションセンター(GEC)の全学オープン科目や、他学部の授業を自主的に調べて履修できたのは、オンライン授業で良かったことですね。

鬼頭

私はあまりつらいと感じたことはなくて…。オンライン授業は時間を自由に使えるメリットがあるので、その分、大学主催のワークショップに参加したり、オンライン上でサークル活動を続けたりしていました。

長谷川

人と直接会えない中、ワークショップやサークルなどの大学の情報はどのように集めたのでしょうか。

佐藤

サークルに関しては、対面での新歓がない分、「自分からアタックしないと!」と思い、SNSを通じて直接コンタクトを取ったりしていました。

大島

私も春ごろから各サークルのSNSをチェックして、オンラインでの交流会に参加しました。佐藤さんと同じで、GECの科目をいくつも履修しましたね。オンライン授業で時間に余裕がある分、たくさん履修しようと思ったんです。ブレイクアウトルームで学年や学部の違う学生と交流できたのは、貴重な経験だったと思います。

長谷川

佐藤さんと大島さんは『早稲田ウィークリー』の学生読者モニターも務めてくれていますよね。役に立った記事はありましたか?

佐藤

僕は研究に興味があるので「研究まっしぐら!」など、大学院生の記事や研究員の方の記事を通して、さまざまな活動に打ち込む先輩の姿を知ることができたのが良かったです。

大島さん、佐藤さんも参加した2020年8月のモニターオンライン交流会では、参加メンバーそれぞれが春学期の授業や学生生活を紹介した

大島

「先輩に乾杯!」や「ぴーぷる」を読んで、「卒業生にこんな面白い人がいるんだ!」「こんなことに挑戦している早大生がいるんだ!」と知ることができ、あいまいだった学生生活のイメージが鮮明になったと思います。

鬼頭

私は読者モニターには参加していませんでしたが(笑)、サークルの情報は早稲田ウィークリーの「公認サークルガイド」を参考にさせていただきました!

早稲田スポーツ新聞会(早スポ)」(公認サークル)に所属する鬼頭さん。大隈記念講堂にて、早稲田大学応援部のステージを取材中

長谷川

早稲田ウィークリーのレポーターとして、皆さんにそのように言っていただけてうれしいです! では、この1年間で新しく挑戦した活動は何かありますか?

大島

教育連携課主催の「地域連携ワークショップ」です。静岡県南伊豆町の観光業の課題解決をテーマにオンライン上で活動したのですが、私はチームリーダーとしてメンバーをまとめました。活動に参加したのは、おうち時間が増え、自分の好きなことや、やりたいことにじっくり向き合う時間ができたからでした。そのおかげで南伊豆町の方を対象にオンラインインタビューも経験することができ、ここで見えてきたコミュニケーションの課題点を、今所属しているアナウンス研究会(公認サークル)の活動に生かせています。

大島さんが参加した地域連携ワークショップの「特産品ワークショップ」にて。現地から届いた伊勢海老のパスタソースを使って各自で調理(左上が南伊豆町の岡部克仁町長。中段の左から2人目が大島さん)

鬼頭

私も大阪府堺市、明治安田生命との地域連携ワークショップに参加し、泉北ニュータウンというまちの課題解決に取り組みました。実感したのは、オンラインでも地域おこしのサポートが十分に可能だということ。秋学期には復興庁が実施する「復興・創生インターンシップ」にも参加しました。これは、地域連携ワークショップでの手応えがあったからこそ、挑戦しようと思えた活動です。東日本大震災で被災したカキ養殖の企業と連携して事業を進める中で、チームメンバーや社員の方々とのオンラインでの関係作りをスムーズに行うことができました。

「復興・創生インターンシップ」にて、復興庁の担当者と一緒に参加したメンバーでオンラインミーティング(左上が鬼頭さん)

佐藤

僕が力を入れたのは、平山郁夫記念ボランティアセンター(WAVOC)主催の「ボルネオプロジェクト」です。マレーシアの子どもたちに教育支援を行うのですが、この1年は現地へ渡航できないこともあり、例年より参加者が少なかったんです。そこで少人数でもできることを模索し、今は「衛生」をテーマにした教材をオンライン上で作成し、現地の子どもたちに送り届ける活動をしています。限られた人員で工夫して一つのものを作り上げたことで、大きな達成感を得ることができました。

ボルネオプロジェクトにて、マレーシアの現地スタッフとオンラインミーティングをする佐藤さん(画面左上)

長谷川

オンラインでもできることをそれぞれ見つけ、前進していて素晴らしいです。大学は、2021年度の授業の7割を対面で実施する方針を掲げています。キャンパスに通えるようになったらやってみたいことはありますか?

大島

私たちはまだキャンパスでの思い出がありません。キャンパスで勉強し、友人と過ごす中で「ここでこんなことがあったよね」と語れるような経験を重ねたいですね。

佐藤

ラウンジや教室のホワイトボードを使って、友人と議論しながらゼミ形式で勉強をしてみたい! これまであまり行く機会がなかった図書館にも通い、本をたくさん読みたいです。

鬼頭

対面授業に参加して自分とは異なる趣味や関心を持つ同級生と出会い、知見を広げていきたいです。これはオンライン授業で身に付いたことですが、やりたいと思うことに積極的に挑戦する姿勢や、諦めずに取り組む力を今後も維持していきたいと思います。

長谷川

最後に、新入生に向けてメッセージをお願いします。

大島

私たち新2年生の多くは、キャンパスを訪れるのがほぼ初めての「キャンパス1年生」です。なので、新入生の皆さんと大学の施設をあちこち巡って、これから一緒に大学のことを知っていきたいです!

佐藤

勉強においても、サークルにおいても、僕たちと新入生との間に大きな経験の差はないと思っています。特にサークルでは学年の分け隔てなく、活動を共に頑張っていけたらと思います。

鬼頭

私も「キャンパス1年生」として、新入生の皆さんと一緒に迷子になりながら(笑)、対面授業を受けたいです!

長谷川

楽しみですね。2021年度の新入生は、高校での新型コロナウイルスによる休校措置や、大学入試改革などの荒波を乗り越えてきた世代。皆さんのお話を聞いて、そんな新入生と新2年生の皆さんと、私も一緒に早稲田大学を盛り上げていけたらいいなと思いました。本日は、ありがとうございました。

3人とも初めて訪れた戸山キャンパス。ラーニングコモンズ「W Space」(37号館2階)の前で

取材・文:萩原 あとり
撮影:山口 貴弘

【次回特集予告】4月19日(月)公開「早稲田スポーツミュージアム特集」

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