Waseda Weekly早稲田ウィークリー

特集

ラグビー蹴球部、日本一連覇に向けて好発進 伝統の早慶・早明戦でも勝つ

早慶戦 11月23日(祝・月)、早明戦 12月6日(日)
今季も秩父宮ラグビー場で開催

11月7日に行われた今季の対抗戦5戦目、筑波大学戦。スクラムから抜け出しトライを狙う丸尾選手(写真提供:早稲田スポーツ新聞会)

2020年1月に行われた「第56回全国大学ラグビーフットボール選手権大会(以下、大学選手権)」において、明治大学に45-35で勝利し、11年ぶり16回目の大学日本一に輝いた早稲田大学ラグビー蹴球部。決勝戦の舞台、新国立競技場へ応援に駆けつけ、『荒ぶる』(※)を聴いた早大生も多いのではないでしょうか。 主力メンバーの多くが卒業した今季の「関東大学ラグビー対抗戦(以下、対抗戦)」ですが、11月1日に行われた帝京大学戦も制し、ここまで5連勝。まずは対抗戦の全勝優勝を目指して、来たる早慶・早明戦に挑みます。

『早稲田ウィークリー』では、今季主将を務める丸尾崇真選手、昨季1年生ながら大学選手権に出場した相良昌彦選手、そして今春期待の新人として入部した伊藤大祐選手の3人に、10月中旬にインタビューを実施。昨季終了後に訪れたコロナ禍による活動休止期間を経て、今季は日本一連覇に向けて王者としてどう戦うのか? 間近に控える対抗戦、早慶・早明戦に対する意気込みと共に聞きました。

(※)大学選手権で優勝し、大学日本一を達成したときにのみ歌う、早稲田大学ラグビー蹴球部の第二部歌。

小さな勝負一つにもこだわって、それぞれで勝っていく。
その先にチームの勝利があるはず

文化構想学部 4年 丸尾 崇真(まるお・たかまさ)
主将・ナンバーエイト(No.8)
早稲田実業学校高等部出身

大学選手権決勝(2019年度)前半12分、新国立競技場で行われたラグビーの試合で初トライを決めた丸尾選手。秩父宮ラグビー場と違ってグラウンドから観客席が離れているため、「舞台で試合をしているような感覚で集中できた」と話す(写真提供:早稲田スポーツ新聞会)

――昨季、大学選手権決勝を制して大学日本一に輝いた勝因をあらためて教えてください。

対抗戦の最終カード、早明戦(2019年12月1日開催、早大7-36明大)で敗れて以降、大学選手権で日本一になるための練習を1日1日積み重ねたことが、優勝という結果につながったと考えています。当然、その“1日1日の積み重ね”は今季も重視しています。

2020年1月11日、11年ぶり16回目の大学日本一に輝いたラグビー蹴球部。後列右から4人目が丸尾選手、同5人目が相良選手(写真提供:早稲田スポーツ新聞会)

――齋藤直人選手や中野将伍選手(共に2020年スポーツ科学部卒)、岸岡智樹選手(2020年教育学部卒)など、昨季は4年生が中心となって活躍したチームでした。今季はどんなチームに仕上がっていますか?

昨季の4年生には圧倒的なスター選手が多数いて、実際にチームをけん引してくれました。その先輩方が卒業され、今季はいわば“スターのいないチーム”だと思っています。だからこそ、いかにチーム力で勝つか。普段の練習から当たり前の部分にこだわり、他校が90点でいいところでも、早稲田は100点満点以上を意識し続けることを大事にしています。

そして、練習でも試合でも、一つ一つのバトルに負けない。それは今季のチームスローガン「BATTLE」に込めた狙いでもあります。局面局面での「自分との戦い」「仲間との戦い」「相手との戦い」と、小さな勝負一つにもこだわって、それぞれで勝っていく。その先にチームの勝利があるはずです。

――コロナ禍の活動休止期間は、どのようなことに取り組んでいましたか? また、夏恒例の菅平合宿が見送りになるなど、例年とは異なる環境で意識してきたことは何でしょうか?

8月の練習時。主将として積極的にチームを引っ張る丸尾選手(右から2人目。写真提供:早稲田大学ラグビー蹴球部)

チーム活動が制限された分、個人のスキルアップ・レベルアップに注力しようと話し合い、それぞれが自分自身の課題に取り組みました。また、活動休止期間中であっても、少人数のオンラインミーティングを週に2回ほど重ねました。選手間のコミュニケーションは例年以上に取れていると思っています。

確かに、菅平合宿が組めず、練習試合も例年と比較すれば圧倒的に少ない状況です。でも、それはどの大学も同じこと。普段の練習でいかに試合と同じ強度、同じ雰囲気を実践できるかが大切になってきます。それは、まさに昨季の大学選手権に向けた日々で学んだことです。何気ない軽い練習でも、決勝戦でのプレーのつもりで取り組んでいくことを重視しています。

――毎年注目度の高い試合、早慶戦・早明戦に対する意気込みを聞かせてください。

10月18日に行われた今季の対抗戦3戦目、日本体育大学戦。中央が丸尾選手(写真提供:早稲田スポーツ新聞会)

早慶戦は自分が1年生の頃からずっと勝利していますが、毎年僅差で、どちらが勝ってもおかしくない勝負が続いています。裏を返せば、慶應は「何としてでも早稲田に勝つ」という強い気持ちで向かってくるはず。ならば、早稲田はそれ以上の強い気持ちを持って戦うことが大事になります。

一方の早明戦は、対抗戦の結果だけを見ると、勝った負けたを繰り返しています。どちらの場合でも、早慶戦同様に僅差の勝負ばかり。そんな試合で重要になるのは、一歩でも引いたら負け、ということ。常に明治より一歩でも前に出るラグビーを目指していきます。

対抗戦での優勝、大学選手権連覇のためには、一戦一戦、成長していくことが必要です。特に今年は準備時間の少なさもあって、まだ発展途上のチームです。一つ一つの試合に全ての力を出し切った上で新たな課題も出し、試合を通して成長していく。現段階では、レギュラーメンバーも固まっていません。だからこそ、伸びしろはまだまだあると思っています。

――無観客試合や入場制限が多くなる今季、会場に来られない早稲田ラグビーのファンにメッセージをお願いします。

昨季は、日本一になったときにだけ歌える部歌『荒ぶる』を11年ぶりに歌うことができ、「やはり、あれ以上のものはない」と実感しました。そして、あの経験をしたからこそ、『荒ぶる』(を歌うこと)を目指す価値をより理解しているつもりです。

コロナ禍という厳しい状況の中でも、選手は一人一人努力しています。今季はそうした「戦う姿勢」にぜひ注目してください。声援は直接届かなくても、注目していただくだけで、その気持ちは僕たちにも伝わります。

ボールの近くでたくさん仕事をすることで、
「よく画面に映るプレーヤー」を目指す

社会科学部 2年 相良 昌彦(さがら・まさひこ)
フランカー(FL)
早稲田実業学校高等部出身

大学選手権決勝(2019年度)前半39分、トライを決めた相良選手(中央)。「決勝戦だけは緊張しなかった」と振り返る(写真提供:早稲田スポーツ新聞会)

――昨季の大学選手権決勝戦では、相良選手は両校の先発30人で唯一の1年生でした。その経験値は今季、どのように生かせそうですか?

ラインアウト練習時。今年に入ってから父である監督ともグラウンドでよく話すようになったそう(写真提供:早稲田大学ラグビー蹴球部)

1年生で大学選手権優勝を経験でき、個人として大きな自信が付きました。また、今年の春にはジュニア・ジャパン(U20日本代表)の主将として「ワールドラグビー パシフィック・チャレンジ2020」での優勝も経験したことで、大学ラグビーで通用する手応えをつかみました。

昨季が良かったからこそ、今季はそれ以上のパフォーマンスを出せるよう、活動休止期間中は体づくりに取り組みました。体重も筋肉量も増え、心拍数などのフィットネスの数値も上がっています。昨季の運動量を保ちつつ、今季はさらに一つ一つのプレーの質を上げたいと思っています。

実際、ここまでの試合(10月中旬現在)では、ボールを運ぶ回数、触る回数共に昨季を上回っています。タックル回数などさらに伸ばせる点もありますので、これからの1試合1試合で向上させていくつもりです。

――早慶戦、早明戦への意気込みを聞かせてください。

昨年の早慶戦は雨の中で苦しい試合展開をしのぎ、勝利につなげました。今年は苦しい場面でこそ自分がチームを救えるようなプレー、具体的には、相手からボールを奪うジャッカルをはじめ、トライでもアシストでも大きな仕事をしたいと思います。

一方の早明戦ですが、対抗戦の方はけがのために自分自身は出場できませんでした。大事な試合だからこそ、コンディションをしっかり整えて出場し、「明治には負けない」という意地を見せたいです。

――早稲田ラグビーのファンにメッセージをお願いします。

10月11日に行われた今季の対抗戦2戦目、立教大学戦の相良選手(中央)。立大ラグビー部に所属する兄・相良隆太選手との兄弟対決としても注目された(写真提供:早稲田スポーツ新聞会)

無観客や入場制限で会場に行けないからと、今季は動画などで試合をチェックする方も増えると思います。そのため、これまで以上に自分の強みでもある運動量を増やし、ボールの近くでたくさん仕事をすることで、「よく画面に映るプレーヤー」を目指しています。

今年は練習試合の数も少ないので、試合をする度にたくさんの課題が出てくるはずです。そこで出た課題をしっかり修正していきたいと思っています。1試合1試合、どれだけ進化しているかにも注目してください。

1年生だからと遠慮することなく、
「状況を打開できるプレーヤー」でありたい

スポーツ科学部 1年 伊藤 大祐(いとう・だいすけ)
スタンドオフ(SO)、センター(CTB)、フルバック(FB)
桐蔭学園高等学校出身

8月練習時の伊藤選手。その後の練習試合で足を負傷し、対抗戦出場を待ち望んでいる(写真提供:早稲田大学ラグビー蹴球部)

――今春入学し、ラグビー蹴球部に入部して半年が過ぎました。早稲田ラグビーの特徴は、どんなことだと感じていますか?

思っていた以上に「緻密」というか、一つ一つのプレーで「正しい選択」を目指すのが早稲田ラグビーだと感じています。この環境に身を置いたことで、自分自身、高校時代よりもプレーの正確性と質は高まっています。

例えば、ポジショニングで正しい位置にこだわるのはもちろん、ポジション取りの前に手を挙げる動作など、当たり前と言われることを当たり前にやる。その姿勢はグラウンドだけでなく、寮生活でも徹底されています。一人一人が自覚を持っているのは、伝統のある部だからこそだと思います。

――BK(バックス)のユーティリティープレーヤーとして、さまざまなポジションで練習をしていますが、伊藤選手の強みは何でしょうか? また、注目してほしい点は?

8月の練習時。ランが一番得意だと語る(写真提供:ラグビー蹴球部)

よく、「希望のポジションは?」といった質問を受けますが、ポジションにこだわりはありません。一つのポジションを極める選手もいる一方で、自分は将来、日本代表でプレーすることを目標に、複数のポジションで高レベルに対応ができるよう準備をしています。今現在、練習している10番(スタンドオフ)、12番(センター)、15番(フルバック)でより高次元のプレーを目指し、その上で「状況を打開できるプレーヤー」でありたいと思っています。

パス・ラン・キック、一つ一つのプレーでポイントを稼いだり、チャンスメイクをしたり、ディフェンスにおいてもタックルをしっかり決めて状況を打開していく。ディフェンスのできるスタンドオフやセンターほど、高い信頼を得ることができると思っています。

具体的には、1日1本、1試合1本、グッドタックルをしてボールを奪う。1年生だからと遠慮することなく、自分が引っ張るくらいの意識でやっていくつもりです。

――昨年度の「第99回全国高等学校ラグビーフットボール大会(通称、花園)」では、桐蔭学園高校の主将を務め、初の単独優勝に導きました。「日本一」になるチームに必要なものとは何でしょうか?

今年はコロナ禍でチームの全体練習は少なかったかもしれません。だからこそ、個人で何ができるかが大事になるはずです。早稲田の一人一人が「自分は何ができるか」を考え、その「できること」を全うする。それがチームのためになります。

そして、日本一がかかった試合でも、いかに冷静かつ平常心でプレーを楽しむことができるか。自分の役割を全うできれば、緊張していてもおのずと楽しめるはずです。そのための準備をしっかりやっていきたいと思います。

取材・文:オグマナオト(2002年、第二文学部卒業)
Twitter:@oguman1977

試合スケジュール
【早慶戦】 11月23日(祝・月) 14時キックオフ @秩父宮ラグビー場
【早明戦】 12月6日(日) 14時キックオフ @秩父宮ラグビー場
▶ラグビー蹴球部  WebサイトTwitter(@waseda_ragby)
チケット販売について(関東ラグビーフットボール協会)
皆様へのお願いと観戦ルールについて(同上)

公認サークル「早稲田スポーツ新聞会」

1959年創立。早稲田大学体育各部44部の活躍を報道している、学生スポーツ新聞の先駆け的存在。取材・撮影・執筆・編集の全てを学生のみで行う。年12回(+号外)新聞を発行しているほか、Webサイトでは試合記事を日々更新。通常号の新聞は学内などで無料配布(早慶野球号のみ1部100円で販売)している。11月7日発行号からは紙面データもWebサイトで無料公開中。
Webサイト:http://wasedasports.com/
Twitter:@waseda_sports

 

【次回フォーカス予告】11月23日(祝・月)公開「教員のオンライン授業特集」

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