Waseda Weekly早稲田ウィークリー

特集

早大・小宮山新監督 師、石井連蔵とボビー・バレンタインから学んだ野球道

選ばれし者のみが戦う舞台 ── 野球・早慶戦を神宮球場で応援しよう!
6月1日(土)・2日(日)開催

4月27日明治大学戦の試合途中、ベンチ前で円陣を組む選手たち(写真提供:早稲田スポーツ新聞会)

今年、プロ野球・メジャーリーグ選手として活躍した小宮山悟氏を指揮官として迎え、新体制となった早稲田大学野球部。昨秋は、早慶戦で劇的な勝利を収め、慶應義塾大学の3連覇を阻止したものの、優勝まであと一歩の2位で終わり、悔しい思いをしました。今シーズンは「ONE」をスローガンに掲げ、まさにチーム一丸となって東京六大学野球の春季リーグ戦に挑んでいます。

今回の特集(フォーカス)では、春季リーグ開始直前に取材した小宮山新監督、主将の加藤雅樹選手(社会科学部4年)のインタビューを2本に分けてお届けします。6月1日(土)・2日(日)に、春季リーグ戦の最後を飾る早慶戦が開催されます。早慶戦は東京六大学野球の中でも特に多くの人が注目する試合です。ぜひ神宮球場へ応援に行きましょう!

「目の前にある一つのボールに魂を込めることから全てが始まる」

小宮山 悟(こみやま・さとる) 監督

――監督に就任して、まず選手に伝えたことは何ですか?

一人一人が何を目指してどうしたいのか、目的意識を持ってグラウンドに立つべきだ、ということです。周りと同じことをやって差が縮まるわけがないし、試合に出ることで満足するようでは困るわけです。「俺は六大学で1番の選手になるんだ」という気概があるならば、必然的に何をすべきか答えは出るわけですから。

何を偉そうにと思われるかもしれませんが、ここは早稲田大学の野球部なんです。選手たちを見ていると、日本で野球に携わる人間にとって、歴史的にも環境的にも重い意味を持つこの場所に身を置いているにも関わらず、何となく時間を過ごしている印象が見受けられたので、そこをまずどうにかしなければと考えました。

――現役時代、日米でさまざまな指導者の下でプレーされてきました。特に影響を受けた監督、参考にしたい監督は誰でしょうか?

「人生の師」という意味では、私が早稲田の学生時代に指導を受けた石井連蔵監督です。野球人としてよりも、人間としてたくさんのことを教えていただいたおかげで、今の自分があります。早稲田での4年間がなかったらと思うと、今でもゾッとしますから。

その上で、野球という競技で参考にしたいのは、(日米で選手と監督の関係になった)ボビー・バレンタインです。目指すところはあの形、つまり「結果度外視の野球」です。ボビーの野球というのは、「この選手はこういう能力を有している。だから今ここで使う」という考えのもと、トライさせる。結果、うまくいかなくても、できると思って使った監督のミスだ、というスタンスでした。ボビーが気に留めていたのは結果よりも、「正しいコンディションでゲームに臨んでいるかどうか」、その一点だけでしたから。

そして、この部分が石井連蔵さんにつながるわけです。石井さんは「常に隙を見せずに事に当たれ」と訴えていました。細心の注意を払って日々生活していれば、故障なんて起きるはずがないという考え方です。もちろん、アクシデントに関しては避けられない部分もありますが、ただ投げていて肩が痛い、肘が痛いというのは有り得ない、と。そのことは、私も選手たちに同じように伝えています。

4月27日明治大学戦で選手にアドバイスする小宮山監督(写真提供:早稲田スポーツ新聞会)

――現役時代、サインを書く際にはいつも「粉骨砕身」という言葉を書かれていました。今、監督として言葉にするとしたら?

これはもう「一球入魂」です。早稲田の監督であるならば、(「学生野球の父」と呼ばれる)飛田穂洲(とびた・すいしゅう)先生の教えを常に訴え続けなければなりません。今、目の前にある一つのボールに魂を込めることから全てが始まる。

卒業すると分かるんです。4年間は本当にあっという間で、「あの時こうしていれば、ああしていればよかった」ということだらけ。そうならないように、毎日もがいて努力していくことが尊いことなんだ、と伝えていくことこそが監督としての重要な仕事だと思っています。

東伏見キャンパスの安部磯雄記念野球場(通称:安部球場)の飛田穂洲胸像(左)と安部磯雄胸像(右)に一礼する小宮山監督

――応援に駆けつける学生には、どんなところを見てほしいですか?

4月20日東京大学戦試合前のノック(写真提供:早稲田スポーツ新聞会)

日々たくさんの刺激に囲まれている時代ですので、神宮球場に足を運ぶという気持ちになかなか傾かないことも理解しています。それでも、4年間という短い学生時代に、長い長い歴史がある東京六大学野球を神宮球場で見たということが、卒業して20年、30年たったときにいい思い出になるんです。神宮のスタンドで「久しぶり」と声を掛け合う年配の校友の姿を見ると特に感じます。野球の早慶戦やラグビーの早明戦を見たりすることが、早稲田の学生であることのアイデンティティーを確立する手助けになるのだと思います。

――監督が高校生のとき早稲田を目指したきっかけでもあり、久しぶりに「戦う場」として迎える早慶戦にどのような思いを抱えていますか?

これはもう、選ばれた者しか戦えない舞台ですから。お互いがお互いをリスペクトしつつ、必ず倒さなければいけないという思いを日々のグラウンドで刷り込まれるわけです。

特にこの春、慶應の熱量は相当なものがあるはずです。昨年秋の早慶戦で、あと1イニング抑えれば完全優勝できる、リーグ3連覇できる、という場面から逆転を許し、優勝を逃した上に勝ち点まで早稲田に献上してしまったその悔しさたるや…。慶應のグラウンドのスコアボードには、あの試合の得点経過を残したまま練習していると聞きます。僕らは、そのエネルギーを正面から受け止めてひっくり返さないといけないわけで、それがこの春、1番の任務です。厳しい戦いになると思いますが、頑張ります。

【プロフィール】
千葉県出身。芝浦工業大学柏高等学校卒業後、2年の浪人生活を経て早稲田大学教育学部へ入学。東京六大学リーグ戦は通算20勝10敗。1989年ロッテオリオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)にドラフト1位で入団。1999年横浜ベイスターズ(現横浜DeNAベイスターズ)へ移籍。2002年メジャーリーグのニューヨーク・メッツへ入団。2004年千葉ロッテマリーンズに復帰。2006年には大学院スポーツ科学研究科に入学。投球フォームに関するバイオメカニクスを専攻し、2008年修士号取得。2009年現役引退。現役時代は制球力の高さから「投げる精密機械」「ミスターコントロール」などと呼ばれた。
野球解説者や野球評論家などを経て2019年1月に早稲田大学野球部監督に就任。今年度、授業ではGECのオープン科目「軟式野球基礎01」などを担当。また、日本高校野球連盟が立ち上げた「投手の障害予防に関する有識者会議」の委員も務める。

取材・文:オグマ ナオト(2002年第二文学部卒業)
写真撮影:石垣 星児

■試合概要とチケット販売について

【試合日時】
◆1回戦:6月1日(土)13:00~
◆2回戦:6月2日(日)13:00~
※雨天順延
※2回戦までで勝ち点が決まらない場合には月曜以降に続けて試合

【会場】明治神宮球場

【応援席券(1枚500円)販売場所】各キャンパス早稲田大学生活協同組合店舗
詳細:http://www.wcoop.ne.jp/sokei/

~学生部より、野球観戦に際してのお願い~
早大生としてマナーと責任ある行動を心掛けてください。

【次回特集予告】5月27日(月)公開「就職活動特集」

六大学野球・早慶戦 主将・加藤、元プロ直伝の練習で感じた一球の重み

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