Waseda Weekly早稲田ウィークリー

コラム

大学の「質」は何で決まるか

かつて京都の大学に勤めていた頃、早稲田大学で講演を終えたドイツのある有名教授が、講演中に前列で寝ている学生がいたと驚きをもって私に話していたことを思い出す。そのときはなぜその先生が驚いたのかピンとこなかったが、ドイツ留学を経てわかったのは、ドイツには授業中に寝ている学生が見当たらないというであった。その後、私も何度か外国で講演や講義を頼まれたが、寝ている学生を見たことがない。学生が明らかに席を埋めるために動員されている場合でもそうである。この違いはどこから来るのであろうか。ところで私は法学部に所属するものであるが、ドイツの法学部には卒業という観念がない。司法試験に合格してはじめて学生たる身分から脱する。目的が明確であるため、その役に立つと判断した授業では、非常に熱心に講義に参加し、質問も多い(質問のある学生は黙って手を挙げる。先生が頃合いを見計らってその学生に当てるまで手を挙げ続けている)。ゼミの報告はその評価が博士論文の執筆資格に係わるので決して怠ることは許されない。授業に対する緊張感は自ずと異なってくる。

研究面について、私がお世話になったドイツの研究所では、1人の教授を支える態勢が整っており、秘書2人、助手3人の他、博士論文を目指すドクトラント(多くは司法修習生)や学生アルバイト総勢15人くらいが働いていた。教授1人のためにである。これも早稲田とは大違いである。世界トップクラスを目指すというが、大学は結局、人とそれを支える態勢によって決まる。さて早稲田はどうなの?

(H)

第1040回

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