Waseda Weekly早稲田ウィークリー

コラム

酒器に見るサステイナブルな時代

酒が好きである。秋の深まりを感じながらひとりしみじみ飲む酒。今日も卓上の欅(けやき)盆には唐津焼の平盃(ひらはい)と須恵の徳利(とっくり)が載っている。ほどよく冷えた日本酒をゆったりと注ぎ、これらが作られた時代や当時の職人たちを思い浮かべながら飲む酒にはたまらない魅力を感じる。

唐津の平盃には「いぶし銀直し」の金継ぎが施されている。割れたり、欠けたりひびが入ったりした器を漆で継ぎ、金や銀で装飾し、繕うことを「金継ぎ」という。日本人は古くから漆を用いて、傷ついた器を繕い使い続けてきた。この唐津もそうして今日まで大切に使われてきたのであろう。繕った跡が景色となって新しい表情を見せてくれる。私たちが育った「昭和」の終わりころは「使い捨ての時代」と言われる消費社会だった。時はやがて「平成」へ、そして新たな元号へと動き始めている。次の時代が、サステイナブルな時代であることを願っている。

「時代」は変わる。数百年前に作られた酒器を眺めながら、激しい時の移ろいを見据えつつ生きていきたいと思っている。

さあ、一緒に一杯いかがでしょうか。

(あ)

第1034回

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